防火設備定期検査とは、防火扉や防火シャッターなどの「防火設備」に重点を置いた検査です。火災事故による被害を最小限に抑えるための検査です。建築基準法第12条に定められている「定期報告制度」の1つであり、必ず行わなければいけない法定検査です。

防火設備定期検査は、平成25年に起きた福岡市の診療所での事故をきっかけに新設されました。それまでは、特定建築物定期調査として防火設備の点検を行っていましたが、この事故によって防火設備に特化した「防火設備定期検査」が新設されたということです。

建物や人々の安全を保つための重要な検査ですから、対象となる建物は必ず行わなければいけません。検査を怠ることで「100万円以下の罰金」を支払うことになりかねません。また、実際に事故が発生することで行政処分の罰金だけでは済まされない可能性もあるのです。

そこでこの記事では年間300物件の検査実績がある私の知見をもとに防火設備定期検査の内容や費用についてわかりやすく解説していきます。安心・安全なビル管理を実現するためにも是非参考にしてください。

※参考
建築基準法12条で定められている定期報告制度では、主に3つの検査が対象となります。

  • 建築設備定期検査
  • 特定建築物定期調査
  • 防火設備定期検査

もしあなたが、ビルを管理する立場でいらっしゃるのであれば、これらも併せて覚えていただければと思います。今回は3つのうちの1つ「防火設備定期検査」に関する解説です。


1.防火設備定期検査で行う4つの検査項目とは

防火設備定期検査とは建築基準法により定められた法的検査です。

もともとこの検査報告制度はありませんでしたが多くの犠牲者を出した火災事故をきっかけとして2016年に新たな検査として施行されました。この検査は建築基準法12条で定められており年1回定期的に実施しなければならない検査す。(これを「定期報告制度」と呼びます。)

検査を定期的に実施することにより設備の異常を早めに発見することができ結果的に維持管理費用の削減にもつながります。

防火設備定期検査では4つの項目を行います。

  • 防火扉
  • 防火シャッター
  • 耐火クロススクリーン
  • ドレンチャーとその他の水幕を形成する防火設備

あくまでも4つの検査項目の内、その建物に設置されている設備のみ検査を行えば大丈夫です。それでは具体的に4つの検査項目を順番に見てまいりましょう。

1-1.防火扉

防火扉とは、火災時には閉鎖し火災の貫通を防止できるように設計された扉のことですが、火災が起きた際、正常に作動することを目的として検査を行います。

1-1-1.防火扉周辺の確認

防火扉の付近に物品が放置されていると非常時に防火扉の閉鎖に支障をきたしてしまう可能性があります。

過去には防火扉の開閉が正常に作動しないことにより煙の充満により死傷者が多発した事故もあります。そのような事故による被害から身を守るためにも放置された物品がないかを確認することが重要なのです。

1-1-2.扉の取付状態の確認

扉の取付が堅固にされていない場合、正常に作動しない可能性があります。

具体的には「扉・枠・金具」などの詳細な部位にまで検査で確認することになります。なぜなら変色や損傷があれば正常な作動が確保できない可能性が高まるからです。

だからこそこのようなポイントにまで目を配り検査する必要があるのです。

1-1-3.危険防止装置の確認

防火扉では非常時に閉鎖する場合、危険防止機能が働くか検査します。

閉鎖作動時に周囲の人の生命や重大な危害が及ぶ恐れがないように防火戸の重量や閉鎖スピードから求められる運動エネルギーを一定基準以下となるかどうか。また、防火戸が閉鎖し挟まれた時の押付ける力が一定基準以下になるかを検査します。

正常に働き、尚且つ利用者の安全を守るためには必要なものとなります。

1-2.防火シャッター

防火シャッターとは建物内の「防火区画」を構成するために設けられたシャッターのことで正常に作動し感知器との連動が問題なく行われることを目的として検査します。

1-2-1.防火シャッター周辺の確認

防火シャッターは通常、開放状態になっており、火災等、万一の時に感知器と連動して自動的に閉鎖されます。

通常は開放状態であり、シャッターの下に物品が放置されている場合は、万一の時に危険防止装置が働き閉鎖されず死傷者が多発する可能性があります。

そのような事故を防止するためにも放置された物品がないかを確認することが重要です。

1-2-2.駆動装置の確認

駆動装置が故障している場合は防火シャッターが作動しない可能性があります。

具体的には「ローラーチェーン、ワイヤーロープ」などの部位まで検査で確認する必要があります。

何故ならば変形、損傷、腐食していれば正常に駆動装置の正常な作動が確保できない可能性が高まります。だからこそこのようなポイントにまで目を配る必要があるのです。

1-2-3.危険防止装置の確認

防火シャッターには危険防止装置が取り付けられています。

危害防止装置とは防火シャッター用の、非常時に起動する、挟まれ防止の安全装置で、障害物があれば自動的に止まり、障害物がなくなると再度降下し全閉する装置です。

この装置は平成16年に防火シャッターに児童がはさまれる重大な事故が発生したことがきっかけとして設置が義務付けられるようになりました。利用者の安全を守るためには障害物がある場合感知し止まる危険防止装置が必要となります。

1-2-4.連動機能の確認

防火シャッターは煙・熱感知器が煙等で火災を感知した情報を得て連動して閉鎖作動が行われます。

感知器が正常に作動しなければシャッターも閉鎖せず重大な事故につながる可能性があります。だからこそ感知器の設置や作動状況やシャッターとの連動検査まで行う必要があるのです。

1-3.耐火クロススクリーン

耐火クロススクリーンは耐火クロス(ガラスクロス製)を使用した、防火防煙性能を兼ね備えた防火設備です。

この設備はエレベーター前専用のスクリーンです。 非常時にはスクリーンを引き上げて避難することができます。設置の周辺状況を確認し、非常時に物品が開閉の障害にならないかを確認することを目的とします。

引用元:㈱Lixil鈴木シャッター

1-3-1.駆動装置の確認

駆動装置が故障している場合は耐火クロススクリーンが正常に作動しない可能性があります。

具体的な検査内容としては「ローラチェーン」などの部位まで目視、聴診・触診の方法で確認します。何故ならば腐食、異常音やたるみがあれば駆動装置の正常な作動が確保できない可能性が高まるからです。だからこそこのようなポイントにまで目を配る必要があるのです。

1-3-2.カーテン部の確認

耐火クロススクリーンが劣化・損傷している場合カーテン部が正常に機能しない場合があります。

具体的な検査内容としては耐火クロススクリーンを閉鎖し動作状態を目視で確認する必要があります。何故ならば変形、損傷・腐食している、固定ボルトが堅固に締め付けていない場合正常な動作が確保できない可能性があるからです。だからこそ動作状態を確認する必要があるのです。

1-3-3.危険防止装置の確認

耐火クロススクリーン(巻き取り式、バランス式)では非常時に閉鎖する場合、危険防止機能が働くか検査します。

閉鎖作動時に周囲の人の生命や重大な危害が及ぶ恐れがないように耐火クロススクリーンの重量や閉鎖スピードから求められる運動エネルギーが一定基準以下となるかどうか。

また、座板感知部の作動により降下の停止が行われるか。耐火クロススクリーンが閉鎖し挟まれた時の押付ける力が一定基準以下になるかを検査します。正常に働き、尚且つ利用者の安全を守るためには必要なものとなります。

1-3-4.連動機能の確認

耐火クロススクリーンは煙・熱感知器が煙等で火災を感知した情報を得て連動して閉鎖作動が行われます。

感知器が正常に作動しなければ耐火クロススクリーンも閉鎖せず重大な事故につながる可能性があります。だからこそ目視による感知器の設置位置の確認や感知する時間等の作動状況等を必要があるのです。

1-4.ドレンチャーとその他の水幕を形成する防火設備

ドレンチャーは防火設備の一種で建物の類焼や延焼を防ぐため、天井にスプリンクラーのヘッドのようなものがついており開口部から水を噴出し建物全体を水幕で包むものです。

火災など非常時に水が大量に噴出するためポンプやタンクが正常に機能するかを目的として検査する必要があります。


引用元:プラタモリでも紹介

1-4-1.ドレンチャー付近の確認

ドレンチャーの付近に物品が放置されていると非常時には障害となり水が広く噴出されません。

火災の類焼・延焼の防止に支障が出て死傷者が多発する可能性があります。そのような事故による被害から身を守るためにも物品が放置されていないかを確認することが重要なのです。

1-4-2.散水ヘッドの確認

散水ヘッドが故障している場合は水の噴射が正常に作動しない可能性があります。

具体的な検査内容としては散水ヘッドが正常に水幕を形成する場所に設置されているか。散水ヘッドに塗装や異物で詰りがないかどうかを確認します。何故ならばヘッドに塗装や異物で詰りがあると正常な作動が確保できない可能性が高まるからです。だからこそこ設置位置やヘッドの状態の確認必要なのです。

1-4-3.水源の確認

ドレンチャーで水を放出するためには多くの水が必要でありその水が確保される必要があります。

正常に消火作動するためには貯水槽や給水設備が劣化・損傷・変形していないか検査する必要があります。なぜならば水が確保されなければ非常時に水を放出できないからです。だからこそこのようなポイントにまで目を配る必要があるのです。


2.防火設備定期検査の定期報告ができる3つの資格

防火設備定期検査は資格を有する検査員が検査を行い、特定行政庁に定期報告を行うことができます。検査を行うために必要な資格は、以下の3つです。

  • 1級建築士
  • 2級建築士
  • 防火設備検査員

防火設備検査員は平成286月施工の改正建築基準法に合わせて新設された国家資格です。防火シャッターや防火戸などの駆動装置の点検、自動火災報知機の感知器と連動させた動作確認などを点検するための資格です。

この資格は、最近新設された資格ですので防火設備検査員の資格者はまだ少ないです。平成28年の改正建築基準法の施工に合わせ平成281月以降、防火設備検査員資格の取得の為の講習がスタートしました。


3.防火設備定期検査の通知が届いた後に行うべき3つのこと

検査時期が来ると特定行政庁から建物の所有者又は管理者あてに検査を行うよう検査通知書が届きます。通知が届きましたら検査を行うためにインターネットなどで検査会社を探します。

※特定行政庁の手続き上、通知が届かない場合もありますが、これは検査を行わなくてもいいということではありません。

1.検査会社を探す

建築設備定期検査は事故や災害を未然に防ぐための重要な検査ですので豊富な経験を持ち、安心できる検査会社に依頼する必要があります。

ここでは20年以上の経験をもとに後悔しない検査会社を選ぶための3つのポイントを順番に説明していきます。

3-1-1.年間200件以上の豊富な経験と実績がある会社を選ぶ

設置している設備の種類・設備数、設備の設置場所は建物によって千差万別です。

どのような設備が設置していても迷うことなく検査を行うためには少なくとも年間200物件以上の検査経験のある検査会社を選ぶことが検査をスムーズにトラブルなく行うための目安です。

3-1-2.社歴10年以上と従業員数20名以上の信用のある会社を選ぶ

ホームページやチラシ等だけ見るだけでは信用があるか最後まで責任を持って検査を行ってくれる会社なのかなかなか判断がつかないものです。

よく当社にもお客様から「今まで他の会社に検査を任せていたが急に連絡が取れなくなって困っている」「つきあっていた会社が廃業した」などと相談があります。設備の状況を把握して適切なアドバイスを行うためにもこの検査は毎年継続して依頼したいものです。

連絡が取れなくなった、廃業した・・・ このように困らないためにも少なくとも10年以上の社歴がある会社や20人以上の従業員がいる会社を選ぶことが重要です。

3-1-3.検査が終わった後に追加料金がない会社を選ぶ

安心できる会社は常に明瞭会計をします。

あとで追加費用が必要になるのでは検査を任せるのに不安です。見積金額以外には追加費用が発生しない会社を選びたいものです。当社では見積作成時に「検査費、報告書作成費、センター提出費、センター手数料エリア外交通費など」検査に必要な費用は全て記載し追加費用がなく安心してお任せいただけるようにしています。

検査が終わった後に見積金額以外の追加料金はないかどうかを確認することが重要です。

費用や業者の選び方については「防火設備定期検査の費用は?その相場と優良業者選び4つのポイント」で詳しく解説していますので、失敗しないためにも一読することをおすすめします。

また、ビル管理会社の選び方については「信頼できるビル管理会社を見極める方法と全国のおすすめ管理会社6選」でも解説していますのでぜひご一読ください。

3-2.必要書類の準備

検査会社を決定したら次に検査の準備を行います。

検査会社の検査員が検査を行ったり、報告書作成のためには建物の資料が必要となります。検査日の1週間前までに資料を検査会社までお送りいただきますとスムーズに検査を行うことができます。

3-2-1.検査が初回の場合に必要な資料

検査会社を決定したら次に検査の準備を行います。

検査会社の検査員が検査を行ったり、報告書作成のためには建物の資料が必要となります。検査日の1週間前までに資料を検査会社までお送りいただきますとスムーズに検査を行うことができます。

“検査が初回の場合に必要な書類”

  • ①確認済証
  • ②検査済証
  • ③建築平面図
  • ④設備図面(消防設備等)
  • ⑤面積記載図
  • ⑥消防設備点検報告書

“2回目以降の検査で必要な書類”

  • ①前回報告書
  • ②平面図
  • ③消防設備点検報告書

3-3.報告書にハンコを押す

検査が終わると検査員が1週間程度で報告書を作成します。作成した報告書は1部郵送を行いますので所有者または管理者のハンコを押していただき、すみやかに検査会社あてに返送して下さい。   

特定行政庁には検査日より1ヵ月以内に提出する必要があります。また検査日より3ヶ月を過ぎると作成した報告書は無効となってしまいますのでご注意ください。(検査日より3ケ月を経過してしまいますと再検査を行わなければなりません)

押印済みの報告書が検査会社に到着すると検査員は特定行政庁へ報告書を提出に行きます。提出後、およそ2ケ月程度で受付済みの報告書(副本)が特定行政庁から検査会社に返送されます。


4.防火設備定期検査の費用目安

防火設備定期検査は2016年から施行された新しい検査です。

このため検査会社各社も費用構成については模索している感があります。費用は相場というものがあまりないため会社により大きく変動します。傾向として建設会社や設計会社は建築士によって検査が行われることが多く費用は高めです。

管理会社は防火設備検査員によって検査するケースが多く費用は安めです。見積書の内訳も会社により大きく違いがあるため見積書を取った後、追加費用が発生するか確認することが必要です。

費用の目安として当社の価格表を掲載します。検査会社を決めるための参考にしてください。

<基本料金 ※検査、報告書作成費用>  
延床面積 共同住宅 左記以外
~1,000㎡ 35,000円 35,000円
~2,000㎡ 35,000円 40,000円
~3,000㎡ 40,000円 45,000円
3,000㎡超 別途見積 別途見積

<設備ごとの検査費用>
※防火扉  1箇所当り  ¥3,000円
※防火シャッター(天井高3m以内)電動巻上  1面当り  ¥ 6,000円
※防火シャッター(天井高3m以内)手動巻上  1面当り  ¥10,000円
※感知器連動試験 1箇所(面)当り  ¥2,000円            

例えば、東京都の2,500㎡の病院で2回目の防火設備定期検査の見積もり事例は以下の通りです。

東京都の2,500㎡の病院で2回目の防火設備定期検査の見積もり見積事例
※防火扉3箇所、電動防火シャッター3面がある場合

1 基本料(検査費、報告書作成費) 40,000円
2 申請代行費           15,000円
3 防火扉(3×3,000円)        9,000円
4 防火扉感知器連動試験         6,000円
5 防火シャッター(3×6,000円)   18,000円
6 防火シャッター感知器連動試験     6,000円
7 消費税相当額           7,520円

  合計見積額(消費税含む)   101,520円

★上記費用は総額となり追加費用は発生しません
★当社の費用構成は
1. 基本料・・・・・・ 検査から報告書作成の費用まで含みます
2. 申請代行費・・・・ センターや役所への提出代行費です
3. エリア外交通費・・・東京都23区や大阪市以外で発生します
4. センター手数料・・・センターでの受付手数料です
受付センターがある場合発生します。センターがない役所は直接役所へ提出しますので手数料 は不要です。
5. 初回報告書作成費・・初めて検査を行う場合は図面などの書類から報告書を作成しなければなりません。 初回のみ別途作成費用が必要です。2回目からは不要です。
6.その他設備・・・・・ドレンチャー等の設備が設置されている場合は別途費用が発生する場合があります


5.防火設備定期検査に関するよくある3つの質問 

お客様より防火設備定期検査についてよく相談を受けることがあります。その中でも特に多い3つの質問を抜粋してまとめてみました。それでは順に説明してまいります。

1.防火設備定期検査を怠った場合は罰則がありますか?

この検査には罰則規定があり督促があっても検査を行わない場合は100万円以下の罰金が科される場合があります。

法的検査のため行う義務はありますがお金のかかることですのでできれば検査を行いたくない方もおられるようです。そのため検査は行わなくてもいいか、行わないときはぺナルテイ(罰則)があるか?という質問がよくあります。この質問には罰則があります。と回答しています。

「罰則」規定の根拠ー建築基準法 に罰則規定が定められています。

第101条 「次の各号のいずれかに該当する者は、100万円以下の罰金に処する」二項 第12条第1項又は第3項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
引用:建築基準法

特定行政庁から届いた検査通知書を無視し提出期限までに報告を行わない場合にはまず「督促状」が届きます。その後も防火設備定期検査を行わなかった場合、あるいは検査を行ったかのような虚偽の報告をした場合には、100万円以下の罰金の処分を受ける可能性があります。

特に近年、建物の事故が増加してきているため特定行政庁は防火設備定期検査の実施のチェックを厳しくしています。罰則規定があるなしに関わらず、建物の所有者として建物利用者の安全を守るためにも検査を行い建物を適正な状態を維持することは義務であり長い目で見れば所有者の利益につながると考えています。

法律に違反し検査を行わない場合には、万が一建物で火災等の事故が起きた場合には責任問題も起き行政処分の罰金だけでは済まされません。そのようなことが起きないようにする為にもこの制度を有効に活用してほしいと考えています。

2.防火設備定期検査の報告時期はいつですか?

建物が竣工して人々に利用されると安全のためにも建築基準法に基づく定期報告を行なわなければなりません。定期報告を行うタイミングは3つのケースでよくお問合せがありますので順番に説明していきます。

5-2-1.ビルが新築の場合

ビルが新築されて検査済証の交付を受けている場合は、その翌日から起算して2年を経過する日までに1度定期報告を行う必要があります。

5-2-2.昨年検査を行っている場合

昨年検査を行っている場合は定期報告を行った日の翌日から、起算して1年を経過する日までに1度定期報告を行う必要があります。

もし何らかの事情でその日が過ぎてしまった場合でもその年度末までに定期報告を行えば今年度中の検査として受付してもらうことができます。

5-2-3.今まで検査を行ったことがない

何らかの理由で防火設備定期検査の定期報告を竣工後一度も行ったことがない場合は建物利用者の安全を守るためにもすぐに1度検査を行い定期報告を行って下さい。

法定検査を行わずに万一、事故や災害が起きた時は重大な所有者責任が問われることにもなります。

5-3.防火設備定期検査の報告対象となる建物は?

検査は、多くの人が利用するホテルや介護施設などの用途別や延床面積100㎡以上の規模の建物で対象になります。建物の用途や、規模(大きさ、階数等)により検査の有無の基準が分類されています。

例えば、老人保健施設、ホテル、百貨店、病院、学校、飲食店、事務所等、全ての用途の建物で検査を行わなければなりません。検査対象になるかどうかの条件は都道府県により細かく分類されています。ここでは『東京都の検査対象の分類一覧表』と『大阪府の検査対象の分類一覧表』を参考に確認してみてください。

また、建物の管轄はほとんどで都道府県となりますが、一部では市が管轄している場合もあります。例えば、神奈川県や兵庫県の一部では市が管轄となります。管轄の役所で検査対象物の条件が定められています。

※注意

特定行政庁から通知が届いたとしても、検査の対象の可能性もあります。例えば、常時閉鎖式の防火扉のみ設置されていない場合などは対象外となる可能性がありあす。事前に資格者や特定行政庁に確認を入れることをおすすめします。


6.まとめ

建築設備定期検査は建築基準法第12条により年1回行うことが定められていますが、すべての建物ではなく用途、規模、特定行政庁によって検査を行う・行わないなど検査対象が変わります。

防火設備定期検査で検査する設備には防火扉、防火シャッター、耐火クロススクリーン、ドレンチャーその他の水幕を形成する防火設備の4つの項目があります。安全を維持するためにも必要な検査ですが建物が検査対象かどうか事前に確認の上、検査を行って下さい。

検査を行うためには一級建築士、二級建築士、防火設備検査員の3つの資格のうち、いずれかが必要ですが、後悔しないためにも豊富な経験を持ち、安心できる検査会社に依頼してください。

防火設備定期検査を行わない場合は「100万円以下の罰金」が生じる法的検査です。万一、検査を行わず火災等で事故が起きた場合は所有者・管理者責任を問われます。

さいごに、防火設備定期検査は建物利用者の安全を守るためにも重要な検査です。事故や災害を未然に防止することを目的とします。安心・安全を守るために重要な検査だからこそ安心できる会社に任せたいものです。

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