東和総合サービスでは、世界的レベルのライセンスを持つプロクリーナーの育成を行うIICRCの他、衣類のシミを取る専門講習の受講など多くの技術・知識を習得した者がサービスを行わせていただきます。
シミの質、経年劣化等を確認して、適温・厳選した資機材を使用し、適した時間で作業を徹底することで、素材を出来るだけ傷めずシミ取りを行っています。
ソファー、カーペットの材質をよく把握し、それぞれの汚れに応じて丁寧に対応をさせていただいております。また、薬剤などで色抜けなどが生じている場合は、色掛け(染め)の対応もさせていただいております。
当社では、シミ抜き作業前の事前確認を徹底して行い、お客様の大切な品物をより綺麗に仕上げる為の時間をしっかり取らせて頂いています。
1.シミとは
そもそも、私たちがシミと呼ぶものは一体どういうものなのでしょう。
シミとは、繊維などに付着した不要物・汚れ・汚点のことです。
シミの種類は大きく5つに分かれます。
1 |
水性のシミ |
しょうゆ・ソース・コーヒー・紅茶・お茶・アルコール類等 |
2 | 油性のシミ | 油(食用・工業用)・チョコレート・バター・口紅・油性マジック・クレヨン・ファンデーション等 |
3 |
色素のシミ |
血液・コーヒー・ワイン等 |
4 |
固形物のシミ |
ガム・アスファルト等 |
5 |
複合のシミ |
カレー(色素・水性・油性等)、マヨネーズ(タンパク質・水性・油性等)等 |
次にとりたいシミが下記のどれ状態に当たるのかをしっかりと見極める必要があります。
①変色・・・・・地の色が変化したもの黄ばみなど
②退色・・・・・付着物の腐敗・酸化、着用中の摩擦などからくる色落ち
③脱色・・・・・塩素系漂白剤や酸素系漂白剤などの色抜け
2.シミの原因別薬剤の選び方
シミの状態を見極めたら、次にシミの原因に合わせて薬剤を使用します。
ただ、シミは単独の成分のものではなく、2種類以上の成分が合わさったものもあります。
その場合は表面にある順番に薬剤を使って落としていく必要があります。
例:コーヒーの場合
含まれる成分は①コーヒー、②砂糖、③ミルクとなります。
このような複合のシミの汚れは下から、タンニン(酸性で溶かす)→タンパク質(アルカリで溶かす)→でんぷん→油と順に重なっていますので、1番上の油から取り除きその次にでんぷん、タンパク質、タンニンの順に取り除いていきます。
それぞれの汚れの成分に効果的な薬剤は
タンニン(植物)系のシミ
コーヒー、お茶、果汁・ケチャップには酸素系漂白が効果的です
タンパク質(熱により凝固する傾向)のシミ
ミルク・血液・排泄物などには酵素処理が合います
でんぷん(澱粉)
片栗粉、糖分などには酵素処理が合います
シミは時間が経つにつれアルカリ性になります。アルカリ性になると繊維を傷めやすくなりますので、シミがついたら少しでも早く除去することが重要です。
3.私たちが実践しているシミ抜きの仕方一部紹介
①水性のシミ
シミが濡れた状態の場合
1⃣乾いたタオルで、シミを広げない様に上から押さえ移し取る
2⃣薄くなれば濡れタオルで拭きとる
3⃣まだシミがある場合は、中性洗剤を水100mlに対し4~5滴を落とし、タオルに染み込ませ拭き取る。
4⃣更にまだシミが残る場合は、水100mlに対し酸素系漂白剤5mlを入れタオルに染み込ませ拭き取る(少しの時間置く方が取れやすい)
5⃣仕上げに濡れたタオルで薬剤を取り除き毛並のあるものは、ブラシで整えながらドライヤーで乾かす。
シミが乾いている場合
1⃣濡れたタオルでシミを抑える。その時シミがタオルに移ったら水性のシミです。
2⃣その後は、濡れたシミと同じ手順で作業します。
②油性のシミ
1⃣ベンゼン(除光液を含む)を乾いたタオルにつけシミの周りから中心に向けて移し取ります。タオルのきれいな部分を面を代えながら使用して拭き取ります。
2⃣まだ薄いシミがあれば、水100mlに対し酸素系漂白剤5mlを入れ、タオルに染み込ませ拭き取る(少しの時間置く方が取れやすい)
3⃣仕上げに、濡れたタオルで薬剤を取り除き毛並のあるものは、ブラシで整えながら、ドライヤーで乾かす。
③色素のシミ(色の付いている物)
1⃣濡れタオルでシミを抑える、色がタオルに移ったらタオルの面を代えながら繰り返します。
2⃣まだ薄いシミがあれば、水100mlに対し酸素系漂白剤5mlを入れ、タオルに染み込ませ拭き取る。(少しの時間置く方が取れやすい)
3⃣仕上げに濡れたタオルで薬剤を取り除き毛並のあるものは、ブラシで整えながらドライヤーで乾かします。
※血液の場合は、衛生上必ず手袋をしてください。この場合擬固しないように水かぬるま湯を使用し、熱湯は使用しないでください。
④固形物のシミ
1⃣ヘラなどで出来るだけ固形物を取り除きます。(氷で固めて取る方法もあります。)
2⃣ティッシュかタオルをあて、上からアイロンをあてる。熱で溶かしながら固形物を移します。タオルをきれいな部分に代えながら繰り返します。
3⃣固形物による色移りのシミが残っていれば、ベンゼン(除光液を含む)を乾いたタオルにつけシミの周りから中心に向けて移し取り、タオルのきれいな部分を使用して拭き取ります。
4⃣仕上げにブラシで整えながらドライヤーで乾かします。
⑤複合のシミ
1⃣ 濡れタオルでシミを抑える。タオルの面を代えながら、タオルに汚れを移せる限り移し取ります。
2⃣ベンゼン(除光液を含む)を乾いたタオルにつけシミの周りから中心に向けて移し取り、タオルのきれいな部分を使用して拭き取ります。
3⃣薄いシミがあれば、水100mlに対し酸素系漂白剤5mlを入れ、タオルに染み込ませ拭き取る(少しの時間置く方が取れやすい)
4⃣仕上げに、濡れたタオルで薬剤を取り除き、毛並のあるものは、ブラシで整えながらドライヤーで乾かします。
本来シミは多種の汚れが混ざりシミになっている場合が多く、汚れの一番上には油性が乗っていることが多
いので油性処理から始めますが、ご家庭や会社の場合水性処理から始めます。
・水かぬるま湯で絞ったタオルでシミを抑えて汚れがタオルにうつつている場合は水性。タオルに汚れが映らない場合は油性。
・どちらかを見分け、その後、性質に応じた処理をします。
4.注意点
まず、早急な対応…汚したその場で処理をすることが大切です。
1日、1週間、1か月と時間が経つほどシミは定着します。
洗剤や薬品(薬品の混合)を称する場合は、カーペットの色落ち防止の為、先に目立たない所で試してください。
シミ取りで複数のシミがある場合は、1番小さなものから試してください。
シミ取りのタオルは、汚れが付いたところはすぐに変え、きれいな部分で作業をし、取った汚れが他に付かないようにしてください注意してください。
ドライヤーを使用する場合は、あまり近づけない状態で使用して下さい。
汚れを完全に取り除くことが無理な場合は、きれいな場所とうまくなじませてください。
シミ取りは、近くからと遠くからと両方からの確認がすごく大切です。
シミをとる場合は、いろんな薬剤を混ぜないことが大切です。
シミを広げないことが大切です。
シミの性質を知ることが大切です。
薬剤は、希釈の薄い目から使用して必要に応じて濃い目にして下さい。
5.まとめ
日々シミを作ってしまう場面はよく起こります。作ってしまったら、上記の方法に倣って、出来るだけ早く対処してください。取り切れない場合は、無理をすると生地を傷めてしまいますので、当社にお問い合わせ下さい。
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