本当にきれいになるカーペットの掃除の仕方を知っていますか?表面にはゴミが無くてもその根元には沢山の砂、ホコリ、髪の毛、食べかす等々が埋まっています。放置しておくとダニが発生してしまいます。
正しいカーペットの掃除の仕方をマスターして、安心して快適に暮らしましょう。


1.カーペット掃除3ステップ

ステップ1.掃除機のかけ方

毎日なんとなく掃除機をかけていませんか?やみくもにかけても根元のゴミを吸引することは出来ません。ここでは、効率よく、そしてキレイになるカーペットの掃除機の掛け方をお伝えします。

基本の掃除機のかけ方

時間のない方は、この基本に沿って掃除機をかけましょう。

最初に掃除機をかけたいカーペットの毛(パイルといいます)がどの方向に向いて流れているか確認しましょう。

掃除機をかける方向は、まず最初に毛流れの反対方向からです。パイルはどこかしらの方向に寝てしまっている場合が多く、それを知らずに掃除機をかけても表面のほこりが取れるだけで、中に入り込んだほこりやゴミを取ることは出来ません。毛を起こしてこそ、根元に溜まったゴミやホコリを吸引することが出来ます。

次は十字の残り2方向からかけましょう。反対方向からだけでは吸引しきれなかったゴミやホコリも更に2方向からかけることで確実に取り切ることが出来ます。
もし、パイルが絡みついている場合は目の粗い櫛で梳かして絡みを取りましょう。

※注意点 アクリルなどが主成分のカーペットは摩擦熱に弱く、椅子や机の移動時に擦れてしまい、パイルが熱で溶けて団子状になってしまっていることがあります。
こうなると、どの方向から掃除機をかけても根元のゴミなどを取ることは出来ません。

もっと効果的に掃除機をかけるポイント

掃除機をかけるスピードや力のかけ方もとても大切です。
力任せにカーペットに掃除機のノズルを押しつけても意味がありません。

ノズルの先全面をカーペットにぴったりとくっつけて、掃除機を上げるとノズルにカーペットがくっついてくるような感じにして下さい。 
ハンドルを軽く握り、ゆっくりと手前に引きます。掃除機は押す時より引く時の方吸引力が強いからです。姿勢よく、前屈みにならず腕を前方にまっすぐ伸ばして引き寄せる感じで行います。

スピードは70~80cmを約3秒で引きながらかけると効率よくきれいになります。ゆっくり動かす事で掃除機からパイルの根元まで空気を入れることが出来るので、吸引できるゴミやホコリが多くなります。

ステップ2.粘着式クリーナーの使い方

掃除機をかけてもなかなか取れない毛などを取るには粘着式クリーナーがお薦めです。柄が長いのと短いのがありますので、使う場面に応じて使い分けましょう。掃除機と同じで、一方向からだけでなく、反対からもコロコロしましょう。カーペット用と表示されている製品は粘着性が高いので、凹凸のあるカーペットに適していますので、専用のものを使用しましょう。

ステップ3.拭き方

掃除機で毎日キレイにしていても取り切れないパイルについた汚れがあります。
裸足で歩いたり寝転んだりした時に皮脂や汗などが不着します。
定期的に拭き掃除をして清潔なカーペットをキープしましょう。

拭き掃除には衣類用中性洗剤か重曹を使います。
重曹水・・・重曹はアルカリ性で、酸性の汚れを中和し分解し、落としやすくする働きがあります。油汚れは酸性なので、油汚れを落とすのに重曹を使うときれいになるのはこの為です。パイルに着いた汚れは油汚れやタンパク質が主成分であることが多いので5%程度の重曹水を作りカーペットに吹きかけタオルで拭き取ります。

 参照 ミヨシ

衣類用中性洗剤・・市販のドライマーク衣料専用洗剤を使います。5%程度の洗剤を作り、重曹水と同様に拭き取ります。仕上げに硬く絞ったタオルで水拭きします。拭くときも十字の4方向から面を変えながら行うとまんべんなくキレイになります。

参照 ウエキ


2.困った汚れの対処法

2-1.シミ

家庭でカーペットに不着するシミの成分は大きく分けて、水溶性、油性、泥に分かれます。
どの汚れも広げないように汚れの周りから汚れの中心に向かって拭いていきます。
何のシミなのかによって対処法は違いますが、ここでは代表的な対処法をお伝えします。

水溶性のシミ・・・ティッシュペーパーやタオルで上から軽く押さえ、水分を移します。くれぐれも力を入れたり擦ったりしないで下さい。中性洗剤を薄めた溶液をタオルに含ませ、トントンと軽く表面を叩くようにして、面を替えながらタオルに汚れを移していき、仕上げに水拭きします。

この際、汚れの成分によっては凝固してしまうことがあるので、冷たい水や、熱いお湯は使わないで下さい。

 

 

油性のシミ・・・汚れをタオルで吸い取ります。固形のものは表面の汚れを拭き取ります。水を絞ったタオルで表面を叩いて汚れをタオルに移します。中性洗剤を薄めた溶液で拭いた後、水を絞ったタオルで汚れや洗剤を拭き取ります。  

・・・水分が多い場合は、タオルで上から軽く押さえ、水分を移します。ドライヤーで泥を乾かし、歯ブラシなどで乾いた泥をほぐし、掃除機で吸い取ります。

2-2.臭い

カーペットが何となく臭うことがありますよね。洗えるものは洗ってしまうのが一番ですが、出来ない場合は困りますね。市販の消臭剤は一時しのぎにはなりますが、臭いの元を除去した訳ではないので、暫くするとまた臭ってきたり、臭いが混じって余計に臭くなったりします。重曹を粉のまま振りかけて掃除機で吸う方法がよく紹介されますが、あまりお薦めしません。パイルの根元に重曹が入り込み、掃除機で吸い取りにくいからです。

お薦めの方法は重曹をぬるま湯で溶いた5%程の溶液をタオルに含ませ、固く絞ったもので、臭いの気になる部分若しくは全体を拭く方法です。重曹水で拭くと、臭いの原因の汚れを除去する事が出来るので、臭いも無くなったり、軽減出来ます。この時、タオルの面を小まめに替えながら、十字の方向から拭くと良いです。仕上げに水を絞ったタオルで拭き上げてください。

2-3.ダニ

家の中にはチリダニ、イエダニ、ツメダニ、コナダニの4種類のダニが生息するといわれています。ホコリや人の垢を食べるのがチリダニで、チリダニを食べる吸血性のあるツメダニ、食品や畳を食べるコナダニ、ネズミなどに寄生し吸血性のあるイエダニです。
ダニに噛まれたというのはツメダニが原因のものが多く、ツメダニを駆除する為にも餌となるチリダニをしっかりと撃退しなければなりません。

チリダニの駆除には何よりも餌となる、ホコリなどを掃除機で吸い取り、掃除機のゴミフィルターの中も定期的にきれいにすることが必要です。
ダニは20~28度前後の温度、60~80%の湿度環境下で繁殖が活発になりますが高温に弱く、60度以上で死滅します。(参照元 愛知県衛星研究所) 
乾燥や紫外線にも弱いので、定期的にカーペットをめくり、裏にも風を通し、天気の良い日は外で干すなどし、その後、掃除機でしっかりとダニの死骸を吸引除去しましょう。

また、スチームアイロンをカーペットから少し離した場所からスチームを当てるのも効果的ですが素材により溶けることがあるので、近づけすぎないようにしてください。
その後、しっかりと掃除機で吸引してください。


3.まとめ

カーペットに掃除機を掛ける時は毛(パイル)の向きを確認し、反対方向からまず掛けます。
手前に引く時の方が吸引力が高いので、掃除機のヘッドを浮かさず、ゆっくりと70~80cm
を3秒かけて引きましょう。

掃除機で取り切れないゴミは粘着式クリーナーを使ってキレイにしましょう。
パイルについてしまった汚れは重曹水や衣類用の中性洗剤で拭き取りましょう。
カーペットの臭いが気になる時は、洗える場合は洗い、出来ない場合は重曹水で拭き取りましょう。
掃除機かけ以外にも定期的にカーペットをめくり裏にも風を通すなどして湿気が溜まらないようにすることでダニの発生を防ぎましょう。

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