梅雨の季節が来ると、部屋の中がジメーっとなってカーペットまで湿っぽくなってきますね。よーく見ると黒い斑点があったり、臭いがしたりなんてことも。ここでは、生えてしまったカビの除去方法とついてしまった色の取り方をご紹介します。


1.カビが生える原因

現在、カビは80000種類以上確認されています。その中でカーペットに生えるカビは

  • アズキイロカビ
  • カワキコウジカビ
  • コウジカビなどがあります。

締め切った部屋、北側に面した壁や窓に外気と室内の温度差により結露が発生する状況、浴室や加湿器などを用いたりして室内の湿度が高くなる場合にカビが発生しやすくなります。

カビが繁殖するのには3つの条件が必要です。以下にそれぞれについて解説致します。

①気温20~30度

カビは気温20~30度で最も活発に繁殖します。通常のカビは0度以下または40度以上にすると生育不可能です。50度でほとんどの菌糸が死滅し、80度で30分程度の加熱処理を行うと、ほとんどのカビが死滅します。ただし、カビの細胞の中にある耐熱性細胞を死滅させるには120度、2時間以上の加熱が必要ですので一般家庭において熱処理で完全にカビを死滅させるのは難しいです。

②湿度70~80%

カビが繁殖するには高い湿度が必要です。一般住宅の一年間の平均湿度は浴室以外の部屋の場合は30~80%程度ですので、浴室のように湿度が高い場所以外ではカビが発生しないはずですが、生えてしまう。

理由として、室内湿度というのは、室内空気中の水蒸気の量ですが、カビが使うのは空気中の水蒸気ではなく、対象仏の表面の水分だからです。結露をした壁や窓にカビが生えるのもこの理由です。

③栄養源となるホコリ、汚れ

カビは様々なものから栄養を取り、繁殖することが出来ます。湿ったホコリや汚れなども餌として繁殖します。


2.胞子を飛び散らかさない事が大事!

カビは菌糸と胞子で形成されています。
菌糸が対象物の表面や内部に進入し栄養の運搬や吸収を行う役目をします。菌糸によって運ばれた栄養を取り込んで胞子が作られます。作られた胞子は飛び散って新たな仲間を増やし、生育場所を広げる役目を果たします。この胞子は刺激を与えると飛び散るので、除去しょうとむやみに触ると周囲に胞子を飛ばし、新たなカビを作る原因になるので注意しましょう。

参照 神奈川県衛生研究所


3.カビの除去方法

カビは菌糸と呼ばれる糸状の細胞からなり、胞子によって繁殖します。カーペットに生えたカビを除去する際に力を入れてこすると胞子が飛び散り、鼻や口から体内に侵入し、病気の原因となります。
かといって掃除機で吸うと、排気口からフィルターを潜り抜けた胞子が部屋中に拡散してしまいますので下記手順に沿って除去してください。

①窓を開けて換気をしましょう。

締め切った部屋の中では、空気中に漂っていたり家具の表面などに付着したホコリや胞子が、掃除の際に舞い散り体内に入り込む危険性がありますので必ず窓を開けて部屋の空気を換気しましょう。

②カビの胞子を取り除きます

カビの生えている部分を固く水を絞った雑巾で上から覆ってつまみ、カビの胞子をできるだけ飛ばさないで雑巾につかせるようにします。範囲が広い場合は面をかえながら行いましょう。乾いた雑巾ではカビが雑巾に付きにくく、硬く絞ってないと、カビに水気を含ませ、カーペットにもっと付着させてしまいます。

③掃除機を丁寧にかけます。

70~80cmを3秒掛けてゆっくり手前に引きながら掃除機をかけます。目に見えない胞子が飛び散っていますので、カビの気になる場所よりも広い範囲に掃除機をかけてください。

④カビを死滅させるために消毒をします。

カビを消滅させるには消毒用エタノールを使用します。市販されているエタノールには99%がエタノールという無水エタノールと、約80%の成分の傷の消毒などに使う消毒用エタノールがあります。

エタノールはエチルアルコールが正式名称でアルコールのことです。そのため、濃度が高い無水エタノールは、消毒の効果を発揮する前に瞬時に蒸発してしまいます。ですので、少し濃度が低い消毒用エタノールの方がカビ部分に留まりやいのでしっかりとカビを消毒し除去することが出来ます。

消毒用エタノールをスプレー容器に入れ、カビの部分より少し広い範囲にスプレーします。
カビで黒くなった部分の周囲にも胞子が飛んでいますので。


消毒用エタノールは揮発性が高いので、しばらく放置した後乾いたタオルでさっと乾拭きし、残った水分を拭き取ります。

⑤ついてしまったカビの色を除去します。   

カビの色を除去するには漂白剤を使用します。この時に衣類用で色柄ものにも使用できる酸素系漂白剤を選びましょう。

塩素系漂白剤を使用すると、カーペットの生地が変色、色落ちが起こり白っぽくなってしまいますので、カーペットに生えたカビには塩素系の漂白剤は使えません。
漂白剤を使用する時は、カビの色だけでなく、カーペットの色まで抜けてしまうことがありますので、最初に目立たないカーペットの端の方に塗布し、色落ちしないか確認しましょう。

漂白剤の容器裏面に記載のあるように原液、または薄めてカビ部分に塗布し、様子をみながら15分~1時間放置してください。すすげるものはすすぎ、無理な場合は絞ったタオルでよく洗剤を拭きとり最後に乾いたタオルで水分をしっかり吸収してください。仕上げにドライヤーで完全に乾かしてカビの再発生を防ぎましょう。


4.カーペットのカビ取りにおすすめの洗剤

①消毒用エタノール

ケガをした時に使うイメージのある消毒用エタノールですが、色々な用途に役に立ちます。
除菌効果がありますので、ウィルス対策用にドアノブや机、便器の除菌にも効果的です。水気を嫌う電化製品の掃除・除菌には洗浄力が高く、すぐに蒸発する無水エタノールを使われることをお薦めします。

参照元 健栄

②酸素系衣料用漂白剤

カーペットは衣類と同じ繊維で出来ているので、衣類の漂白に使う洗剤を使うのがカーペットの素材を傷めることなくカビで染まった部分を漂白出来るので安心して使えます。
小さいラグのような大きさのカーペットでしたら、そのまま洗濯機に入れて洗い、大きめのサイズのものでしたら、水を絞ったタオルで面を変えながら付着した洗剤を除去し、仕上げに乾いたタオルでしっかりと水気を拭き取りましょう。最後にドライヤーで完全に乾かすとカビの再発予防になります。

参照元 花王


5.カビの予防方法

カビは気温20~30度、湿度70~80%で繁殖が活発になります。締め切った部屋やカーペットを敷きっぱなしでいるとカーペットに水分を多く含み、またホコリも溜りやすいのでカビが発生しやすくなります。

  • 1週間に1度は窓を開けて部屋の換気をしましょう。
  • カーペットをめくり、裏面にも風を通しましょう。大きなカーペットは上下左右などに分けて行うとやりやすいです。たまった湿気を蒸発させたいので1面につき30分程放置してください。
  • ホコリが溜らないように掃除機を週に1度はかけましょう。

6.まとめ

締め切った部屋や換気が十分にされていない部屋、また掃除が小まめにされていない部屋はカビが生えやすい環境にあります。カビは胞子で繁殖するため、いきなり擦ったり、掃除機をかけると菌を部屋中に撒き散らすことになります。
まずは窓を開けて換気し、カビをそっとつまみ胞子の部分を除去した後、掃除機をしっかりかけ、消毒用エタノールを用いてカビを消毒・殺菌したら、ついてしまった色を衣料用の酸素系漂白剤で染み抜きをしましょう。
二度とカビを発生させないために、1週間に1度は部屋の窓をあけ換気し、カーペットをめくり、裏にたまった湿気を乾燥させ、部屋とカーペットに溜ったホコリを掃除機で吸い取りましょう。

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