火災報知器の点検は必須!種類別の点検内容、頻度などわかりやすく解説

火災報知器

「住んでいるマンションに火災報知器の点検が入るというお知らせがあったけれど、何をされるのか不安…」

「持ちビルに火災報知器を設置していて、管理会社から点検が必要だと言われた。どんな点検をすべきか知りたい」

火災報知器の点検について、そんな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?

ご存知の通り、火災報知器を建物に設置することは、法律で義務づけられています。そしてその点検も、ビルやマンション、学校などの場合は消防法で定められた義務、個人の住宅の場合は努力義務とされているのです。

そこでこの記事では、火災報知器の点検について、住民・オーナー双方が知っておくべきことをわかりやすく解説します。

  • 火災報知器の点検とはどんなものか
  • 火災報知器点検の内容と方法

といった基礎知識はもちろん、

  • マンションオーナー向け>住人から点検を拒否された場合の対処法
  • マンション住人向け>点検を拒否することはできるのか?

という疑問への回答もお伝えします。

この記事を読めば、ビルやマンションのオーナーは火災報知器点検とはどんなものかを知ることができるでしょう。またマンション住民は、「どんな点検がされるのか、どう対応すればいいのか」がわかるはずです。

正しい知識を得て、ぜひ適切な火災報知器点検を行なってください!


1. 火災報知器の点検とは?

点検

火災報知器の点検とはどんなものでしょうか?その概要や、法的な位置付けからわかりやすく説明していきましょう。

1-1. 火災報知器の点検は「消防設備点検」に含まれる

消防法では、ビルやマンションなど大勢の人が利用する建物に対して、消防設備の点検を義務付けています。これを「消防用設備等点検報告制度」(通称「消防設備点検」)といい、大きく分けて以下の5種類の設備を点検する必要があります。

1)消火設備:消火器、スプリンクラー、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、屋外消火栓など
2)警報設備:自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、非常ベル、放送設備など
3)避難設備:避難はしご、救助袋、誘導灯など
4)消防用水:防火水槽など
5)消火活動上必要な設備:排水設備、連結散水設備、連結送水管、非常コンセント設備など

この2番目の「警報設備」の中に、「火災報知設備」が含まれていますよね。つまり、火災報知器の点検は、消防法で定められた「消防設備点検」の中に含まれるもので、建物の管理者は、定期的にこの点検を行う義務があるのです。

1-2. 消防設備点検の概要

火災報知器を含めた「消防設備点検」は、誰がどんな風に行うべきものなのでしょうか?その概要を簡単に表にまとめてみましたので、以下を見てください。

【消防設備点検の概要】

点検・報告者

点検義務者:建物の関係者(所有者、管理者、占有者)
点検者:「消防設備士」「消防設備点検資格者」の免状を持つ者のみが点検できる

点検・報告対象

「防火対象物」に該当する建物や施設

点検項目

・消火設備:消化器、消火栓など
・警報設備:火災報知器、非常警報など
・避難設備:避難はしご、誘導灯など
・消火活動用設備など:排煙設備など

点検・報告周期

<点検> 年2回

・機器点検:6ヶ月ごと(外観や機器の機能を確認)
・総合点検:1年ごと(機器を作動させて機能を確認)

<報告>

・特定防火対象物:年1回 (劇場、飲食店、百貨店、ホテル、病院、地下街など不特定多数の人が出入りする建物)
・非特定防火対象物:3年に1回 (共同住宅、学校、図書館、神社・寺院、工場、駐車場、事務所、文化財など)

報告先

消防機関(消防長や消防署長)

点検・報告方法

1)建物の関係者(所有者か管理者、占有者)が、消防設備士か消防設備点検資格者のいる設備会社などに点検を依頼する
2)消防設備士か消防設備点検資格者が実際に点検し、報告書を作成する
3)建物の関係者が消防長や消防署長に報告書を提出する

※点検報告を怠ると、30万円以下の罰金または拘留が課せられるので要注意!

さらにくわしく知りたい場合は、別記事「消防設備点検と報告は義務!年に2回の点検はプロに任せて安全確保」を参照しましょう。

火災報知器にフォーカスした点検内容と点検方法については、このあとの「3. 「火災報知機」の分類」「4. 自動火災報知設備(感知器)の点検内容」で詳しく説明しますので、そちらもぜひ読んでください。

1-3. 「住宅」の場合は点検に法的義務はない

消防設備点検は、ビルやマンションなど不特定多数の人が利用する建物を対象としていて、戸建ての住宅などは対象外なのです。

個人の住宅の場合は、「住宅用火災警報器の設置が法律で義務づけられているが、消防設備点検は必要なく、そのかわりに住人が自分で定期的に点検することが推奨されている。」ということも、あわせて知っておきましょう。ちなみに消防設備点検について定めた消防法の条文は以下の通りです。

参考までに目を通しておいてください。

【消防法】
第十七条の三の三

第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(第八条の二の二第一項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。


2. 火災報知器の点検はなぜ必要なのか?

火災報知器

次に、火災報知器の点検はなぜ必要なのでしょうか?それは、火災を初期のうちに発見し、被害を防ぐためです。

以下の図表を見てください。

総務省消防庁ホームページの「住宅防火関係」ページに掲載されている「住宅用火災警報器の効果」に関するデータです。

※このデータでは「火災警報器」という名称が使われています。実は「火災報知器」は通称で、正式名称としては「火災警報器」「火災報知設備」というふたつの言葉が使い分けられています。

この違いについては3章でくわしく説明します。

このデータによると、火災警報器がある住宅は、ない住宅に比べて死者は4割少なく、焼けた床面積と損害額は約半分で済んだことがわかります。つまり、火災警報器があれば火災の被害は大幅に減らせるのです。

火災報知器 説明

ただし、火災警報器を設置していても、故障していて火災を察知できなかったり、不具合があって警報音が鳴らなかったりすれば効果はありません。

そんなことのないように、定期的に機器を点検し、正常に作動することを確認しておく必要があるのです。

この点検を怠ると、どのようなリスクがあるのでしょうか?主に以下の4つのリスクが考えられます。

1)火災や事故につながる
2)点検義務を怠ったとして罰則を適用される
3)火災にあっても保険が下りない
4)火災で被害者が出た場合、損害賠償を請求される

ひとつずつくわしく説明していきましょう。

1)火災や事故につながる

火災報知設備・火災警報器の役割は、熱や煙をいち早く感知し、火災の発生を知らせることです。

前述しましたが、もしセンサーや警報システムなどが故障していたり、不具合が生じていると、いざというときに火災を的確に感知し警報を鳴らすことができない恐れがあります。そうなると、火災を初期に消火したり、人やものを避難させたりすることができずに、大きな被害を出してしまうかもしれません。

機器の不具合の中には、「火災でもないのに警報音が鳴る」といったケースもあり、建物の利用者や近隣に迷惑を及ぼすこともあります。

2)点検義務を怠ったとして罰則を適用される

消防法では、消防設備点検を義務づけるとともに、罰則も定めています。ビルの所有者や管理者は、点検を怠ったり虚偽の点検結果を報告した場合、「30万円以下の罰金または拘留」が課せられる恐れがあるのです。

消防法の条文を以下にあげておきますので、心しておいてください。

【消防法】

第四十四条
次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金又は拘留に処する。

(中略)

十一 第八条の二の二第一項(第三十六条第一項において準用する場合を含む。)又は第十七条の三の三の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

3)火災にあっても保険が下りない

もし実際に火災に見舞われてしまった場合、火災保険を申請して補償を受けたいですよね。ですが、火災警報器をはじめ消防設備の点検を怠っていて、それが火災につながったと判断されてしまうと、火災保険が適用されず保険金が下りない場合もあるのです。

4)火災で被害者が出た場合、損害賠償を請求される

さらに、消防設備の点検不備が原因の火災で被害者が出たり、人の財産が失われた場合には、建物の所有者や管理責任者が訴訟を起こされ、損害賠償を負わなければならないケースも考えられます。これらのリスクを未然に防ぐためにも、火災警報器を含む消防設備点検はかならず実施する必要があるのです。


3. 「火災報知機」の分類

火災報知器

前の章でも簡単に触れましたが、実は「火災報知器」というのは通称です。

正しくは、以下の2つの名称の機器・設備に分類されます。

1)自動火災報知設備
2)住宅用火災警報器

それぞれどのような違いがあるのか、表にまとめてみました。

【自動火災報知設備と住宅用火災警報器の違い】

自動火災報知設備

住宅用火災警報器

設置される建物

「防火対象物」に該当するビル、マンション、学校など、不特定多数の人が利用する建物

住宅(戸建て、アパート、マンションなど)

含まれる機器・設備

・熱感知器
・煙感知器
・発信機
・受信機
・警報ベル  など

・煙式(光電式)警報機
・熱式(定温式)警報機
・火災・ガス漏れ複合型警報機 など

点検義務

消防法により義務あり

設置は義務だが、点検は義務ではなく推奨

点検義務を負う者

建物の関係者(所有者、管理者、占有者)

義務なし

実際の点検を行う者

「消防設備士」「消防設備点検資格者」の免状を持つ者

特に資格は必要なく、住人でも可能

点検周期

・機器点検:6ヶ月ごと
・総合点検:1年ごと

1ヶ月〜6ヶ月ごと推奨

報告

消防機関(消防長や消防署長)に対して、下記の報告を行う。

・特定防火対象物:年1回
・非特定防火対象物:3年に1回

必要なし

それぞれくわしく説明していきましょう。

3-1. 自動火災報知設備

自動火災報知設備とは、ビルやマンション、学校、ホテル、工場など不特定多数の人が利用する建物で、火災の発生を感知して建物内に知らせ、初期消火や人々の避難をうながす設備全般を指します。

したがって機器はひとつではなく、主に以下のような機器・設備を組み合わせて構成されているものです。

◾️感知器:建物内のあちこちに配置され、火災の際に生じる熱や煙、炎をセンサーなどで感知、受信機に信号を送ります。

煙感知器

◾️発信機:人が火災に気づいたときに、手動で受信機に信号を送ることができる装置です。押しボタン式のものや、電話型のものなどがあります。

非常ボタン

◾️受信機:感知器や発信器からの信号を受けて、火災が発生したこととその場所を管理者に知らせ、警報ベルを鳴らします。また、防火扉や防火シャッターを自動で閉めたり、消防署や警備会社に自動で通報する役割も担っています。

そのため、建物内の防災センターや管理室など、管理担当者がいる場所に設置されます。

◾️警報ベル:受信機が火災の信号を受信すると、それに連動して建物内に警報音を鳴らし、建物内にいる人たちに火災の発生を知らせます。

警報ベル

「消防設備点検」の中の「警報設備」の点検では、これらの機器や設備が正しく作動するかを定期的に点検します。

設置と点検が義務づけられているのは、法律で「防火対象物」と規定される建物ですが、この「防火対象物」の定義とくわしい点検内容については、次章「4. 自動火災報知設備(感知器)の点検内容」で解説しますので、そちらも確認してください。

3-2. 住宅用火災警報器

ビルなどに設置する自動火災報知設備に対して、住宅に設置するのが住宅用火災警報器です。

以前は住宅に火災報知器を設置するかどうかは自由でしたが、2004年に消防法が改正され、すべての住宅に住宅用火災警報器を設置することが義務づけられました。

住宅用火災警報器の種類には、主に以下の2種あります。

煙式感知器

火災報知器

熱式感知器

住宅用火災報知器

設置場所は、住宅のある市町村の条例によって決められていますが、主に寝室と階段、リビングなどの居室、台所などで、天井や壁に取り付けます。

ホームセンターや通販などで誰でも購入でき、取り付けも簡単ですので、各住宅の住人自身が購入・取り付けするケースも多いようです。

自動火災報知設備とは違い、住宅用火災警報器には点検義務はありません。が、点検を怠ると、故障や不具合、電池切れなどに気づかず、万が一火災が発生した場合に発見が遅れて被害が大きくなってしまうリスクがあります。

そのため各製造メーカーでは、住人自身が定期的に点検することを推奨しています。点検周期や点検方法は機器によって違いますので、取扱説明書をよく読んでください。

多くの場合は1〜6ヶ月ごとの点検を推奨しており、警報機についているボタンを押すかひもを引っ張ることで、正常な動作と警報音を確認することができますので、ぜひ自分でやってみてください。 


4. 自動火災報知設備(感知器)の点検内容

チェックリスト

住宅用火災警報器の点検については、住人自身が簡単にできることがわかりましたよね。ですが、対する自動火災報知設備の点検は、点検資格を持っている人にしか行えず、点検内容も複雑で多岐にわたっています。

そこでこの章では、自動火災報知設備の点検内容について、さらにくわしく掘り下げていきましょう。

4-1. 点検対象

自動火災報知設備の設置・点検が義務づけられている対象の建築物とはどんなものでしょうか?

これは消防法で「防火対象物」と呼ばれている建物のうち、以下の表①の用途に使われているもので、表②の規模のものと定められています。

【表① 防火対象物の用途】

用途

1

劇場、映画館、演芸場または観覧場

公会堂または集会場

2

キャバレー、カフェー、ナイトクラブその他これらに類するもの

遊技場またはダンスホール

ファッションマッサージ、テレクラなどの性風俗営業店舗など

3

待合、料理店その他これらに類するもの

飲食店

4

百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗または展示場

5

旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの

6

病院、診療所または助産所

老人福祉施設、有料老人ホーム、精神障害者社会復帰施設など

幼稚園、盲学校、聾学校または養護学校

7

公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場その他これらに類するもの

8

複合用途防火対象物のうち、その一部が表①の1から7に該当する用途に供されているもの

9

地下街

【表② 防火対象物の規模】

防火対象物全体の収容人員

30人未満

30人以上300人未満

300人以上

点検報告義務

義務なし

以下の1および2の条件に該当する場合は義務あり

1)特定用途(表①の1〜7の用途)が3階以上の階 または地階にあるもの

2)階段がひとつのもの(屋外に設けられた階段などであれば義務なし)

すべて義務あり

注意したいのはマンションの場合です。

規模が表②に当てはまる大型マンションには自動火災報知設備を、これに該当しない小規模のマンションでは住宅用火災警報器を設置する必要があり、点検についても前者は法律による義務づけ、後者は義務ではなく推奨、という違いがあります。

4-2. 点検周期

自動火災報知設備の点検は年に2回、以下の周期と内容で行う必要があります。

  • 機器点検:6ヶ月ごとに外観や機器の機能を確認する
  • 総合点検:1年ごとに機器を作動させて機能を確認する

また、点検結果を消防機関に報告する義務もあり、その報告周期は以下です。

◾️特定防火対象物:年1回(劇場、飲食店、百貨店、ホテル、病院、地下街など不特定多数の人が出入りする建物)
◾️非特定防火対象物:3年に1回(共同住宅、学校、図書館、神社・寺院、工場、駐車場、事務所、文化財など)

4-3. 点検方法とチェックリスト(抜粋)

実際の点検では、何をどのようにチェックするのでしょうか?

細かい点検基準、点検方法については、総務省消防庁ホームページの「消防用設備等の点検基準、点検要領、点検票」からくわしいチェックリストやチェック表をダウンロードすることができます。

この項ではその中から、「どんな点検をするのか」がイメージしやすい項目について、内容を抜粋して表にしましたので、以下を見てください。

点検項目

点検方法

点検基準

外形

目視により確認

ア 変形、損傷、著しい腐食、き裂等がないこと。
イ 変形、損傷、著しい腐食、き裂等がないこと。

表示

受信機に表示されている種別、定格容量、定格電圧等が適正に表示されていること。

端子電圧

予備電源試験スイッチ等を操作し、表示灯、電圧計等により確認

表示灯の点状況、電圧等が適正に標されること。

切替装置

常用電源回路のスイッチを遮断すること常用電源回路のスイッチを遮断すること等により確認

常用電源を停電状態にしたとき、自動的に予備電源又は非常電源に切り替わり、常用電源が復旧したとき自動的に常用電源に切り替わること。

充電装置

目視等により確認

変形、損傷、著しい腐食、異常な発熱等がないこと。

結線接続

目視及びドライバー等により確認

断線、端子の緩み、脱落、損傷等がないこと。

周囲の状況

目視により確認

常時人がいる場所であり(中継器を除く。)、使用上及び点検上必要な空間が確保されていること。

外形

変形、損傷、著しい腐食等がないこと。変形、損傷、著しい腐食等がないこと。

表示

ア 検定合格証が貼付されていること。
イ 銘板等に規定の表示がなされていること。
ウ 銘板等がはがれていなく、かつ、名称等に汚損、不鮮明な部分がないこと。
エ スイッチ等の銘板の表示が適正にされていること。

警戒区域の表示装置

汚損、不鮮明な部分等がないこと。

電圧計

目視及び計器等により確認

ア 変形、損傷等がないこと。
イ 電圧計の指示値が所定の範囲内であること。
ウ 電圧計のないものにあっては、電源表示灯が点灯していること。

スイッチ類

目視、ドライバー等及び開閉操作により確認

ア 端子の緩み等がなく、発熱していないこと。
イ 開閉位置及び開閉機能が正常であること。

ヒューズ類

目視により確認

ア 損傷、溶断等がないこと。
イ 回路図・基盤等に表示された種類及び容量のものが使用されていること。

継電器

目視及び試験等により確認

ア 脱落、端子の緩み、接点の焼損、ほこりの付着等がないこと。
イ 確実に作動すること。

表示灯

スイッチ等の操作により確認

輝度の低下が無く、点灯等が確認でき、文字等も判読できること。

通話装置

送受話器の操作により確認

ア 発信機等側の送受話器を操作して、受信機側を呼び出し明瞭に同時通話ができること。
イ 2以上の受信機が設けられている場合は、明瞭に相互間の通話ができること。

結線接続

目視及びドライバー等により確認

断線、端子の緩み、脱落、損傷等がないこと。

火災表示等

火災試験を行い確認

ア 火災灯、地区表示装置の点灯及び主音響装置の鳴動並びに自己保持機能が正常であること。
イ 蓄積式受信機にあっては、前アによるほか、蓄積の測定時間は、受信機で設定された時間に5秒を加えた時間以内であること。

注意表示

注意表示試験を行い確認

注意灯及び地区表示装置の点灯並びに音響装置の鳴動が正常であること。

感知器の作動等の表示

所定の外部試験器により操作を行い確認

感知器の作動及び警戒区域の表示が適正であること。

外形

目視により確認

変形、損傷、脱落、著しい腐食等がないこと。

警戒状況

未警戒部分

設置後の用途変更、間仕切変更等による未警戒の部分がないこと。

感知区域

ア 感知区域の面積及び取付け面の高さに応じた感知器の種別及び個数が設置されていること。
イ 炎感知器の場合は監視空間又は監視距離が適正であること。

適応性

設置場所に適応する感知器が設けられていること。

機能障害

ア 塗装、防塵カバー等がされていないこと。
イ 光電式分離型感知器にあっては、受光部に機能障害を及ぼすおそれのある日光の入射等がないこと。
ウ 炎感知器にあっては、機能障害を及ぼすおそれのある障害物、日光の入射等がないこと。
エ 模様替え等により感知障害となる熱気流又は煙の流動を妨げるものがないこと。

熱感知器

スポット型

(1)差動式、定温式(再用型)及び熱アナログ式

 所定の加熱試験器により確認

(2)定温式(非再用型)

 警戒区域ごとに設置されている感知器の数に応じて抜き取り、再用型の感知器の加熱試験に準じて確認

ア 確実に作動すること。
イ 警戒区域の表示が適正であること。
ウ 確認灯付感知器の場合は、確認灯が正常に点灯又は点滅すること。

分布型・空気管式

(1)火災作動試験(空気注入試験)

感知器の作動空気圧(空気膨張圧力)に相当する空気量を、空気注入試験器(5cc 用、以下「テストポンプ」という。)によって注入し、確認

(2)作動継続試験

火災作動試験により、感知器が作動したときから、復旧するまでの時間を測定し確認

ア 確実に作動すること。
イ 作動時間及び作動継続時間は、検出部に貼付されている諸元表による範囲内の値であること。
ウ 警戒区域の表示が適正であること。
エ 確認灯付感知器の場合は、確認灯が正常に点灯又は点滅すること。

分布型・熱電対式及び熱半導体式

(1)火災作動試験

感知器の作動電圧に相当する電圧を所定のメーターリレー試験器により検出部に印加し、確認

(2)回路合成抵抗試験

試験器により、試験できるものは、プラグを検出部に挿入して所定の操作を行う。その他のものは、熱電対回路を検出部端子から切り離し確認

ア 確実に作動すること。
イ 作動したときの電圧が各検出部に表示されている値の範囲内であること。
ウ 回路合成抵抗値が各検出部に表示されている値以下であること。
エ 警戒区域の表示が適正であること。
オ 確認灯付感知器の場合は、確認灯が正常に点灯又は点滅すること。

感知線型

(1)感知器の末端に設けた回路試験器を操作し確認
(2)感知器回路の配線と感知線の合成抵抗値を確認

ア 確実に作動すること。
イ 警戒区域の表示が適正であること。
ウ 回路合成抵抗値が感知器に明示されている値以下であること。

煙感知器

スポット型

所定の加煙試験器により確認

ア 確実に作動すること。
イ 警戒区域の表示が適正であること。
ウ 確認灯付感知器の場合は、確認灯が正常に点灯又は点滅すること。

分離型

所定の減光フィルターにより確認

炎感知器

所定の炎感知器用作動試験器により確認

ア 確実に作動すること。
イ 警戒区域の表示が適正であること。
ウ 確認灯付感知器の場合は、確認灯が正常に点灯又は点滅すること。

周囲の状況

目視により確認

周囲に使用上及び点検上の障害となるものがないこと。周囲に使用上及び点検上の障害となるものがないこと。

外形

変形、脱落、著しい腐食、押しボタンの保護板の損傷等がないこと。

表示

ア 押しボタン等の名称等に汚損、不鮮明な部分がないこと。
イ 銘板等がはがれていないこと。

押しボタン及び送受話器

押しボタン又は送受話器を操作し、確認

ア 確実に作動すること。
イ 受信機の発信機灯及び区域の表示が適正であること。
ウ 主音響装置及び地区音響装置が鳴動するか又は放送設備が正常に警報を発すること。
エ 確認灯のあるものは、確認灯が点灯すること。

表示灯

目視により確認

ア 変形、損傷、脱落、球切れ等がなく、正常に点灯していること。
イ 取付け面と 15 度以上の角度となる方向に沿って 10m離れたところから容易に識別できること。

外形

目視により確認

変形、損傷、著しい腐食等がないこと。

取付状態

脱落、緩み等がなく、音響効果を妨げるものがないこと。

音圧等

他の機械等の音等がある部分に設けられたものは、感知器又は発信機を作動させて確認

ア 主音響装置及び地区音響装置が正常に鳴動すること。
イ 音圧、音色及び音声警報が他の機械等の音等と区別して聞き取れること。

鳴動

感知器又は発信機を作動させて、地区音響装置の鳴動状況を確認

ア 一斉鳴動の場合(自動的に全館の地区音響装置が一斉に鳴動すること。)
イ 区分鳴動の場合

地階を除く階数が5以上で延べ面積が 3,000 ㎡を超える防火対象物に設けた地区音響装置は区分鳴動ができるとともに、一定の時間が経過した場合又は新たな火災信号を受信した場合には自動的に全館一斉に鳴動報すること。ただし、全館に火災が発生した場所を音声により報知することができるものにあっては、この限りでない。

ウ 相互鳴動の場合(2以上の受信機が設けられている防火対象物の地区音響装置は、いずれの受信機からも鳴動できること。)

エ 再鳴動の場合(再鳴動機能を有する地区音響装置は、機能が正常であること。)

出典:総務省消防庁ホームページ「消防用設備等の点検基準、点検要領、点検票」より抜粋

このほかにも、自動試験機能や無線機能などが備わった機器・設備であればそれらのテストもあり、点検項目は非常に細かく定められています。といっても、実際に点検をするのは点検資格を持った専門業者ですので、建物の所有者や管理者、利用者や住人は、これらの点検内容を細かく理解していなくても大丈夫です。

点検の結果、故障や不具合、不都合が見つかった場合は、建物の所有者や管理者がただちに修理や改善をする必要があります。

また、この点検項目の中には、日頃から管理者側が注意・改善できる以下のようなポイントも書かれています。

  • 機器や設備が変形したり損傷したり、腐食したりしていてはいけない
  • 受信機や感知器のじゃまになる場所にものを置いてはいけない
  • 改装による間仕切りの移動などを行なった結果、感知器がカバーしていない未警戒部分が生じた場合は、そこにも感知器を設置しなければいけない

機器のトラブルを予防するためにも、ひと通り目を通しておくことをおすすめします。

4-4. マンションの点検で住人不在の場合の対処法

前述したように、防火対象物に該当するマンションでは自動火災報知設備の点検が義務づけられていますが、その場合、共有部分だけでなく専有部分=住人が住んでいる各居室の中も点検する必要があります。

というのも、各居室の中には感知器が設置されているからです。

実際の点検の際は、自動火災報知設備だけでなく消防設備全般をチェックするので、居室内では下記の3点が点検されます。

◎消化器
◎自動火災報知設備(感知器・報知器)
◎避難はしご

管理者は事前に住人に「◯月◯日◯時〜消防設備点検を行います」と周知して、当日は室内に立ち入って点検させてもらわなければなりません。しかし、そこで問題になるのが住人が不在の場合の対応です。

「点検当日は、仕事などでどうしても在宅できない」というケースはもちろん、「女性のひとり暮らしで、知らない男性に立ち入られたくないので居留守をつかう」などという人もあって、立ち入り点検ができないことがままあるのです。

そんな場合に備えて、事前に以下のような対応をとることをおすすめします。

《オーナー・管理者側の対処法》

◎住人に点検日を知らせるチラシや掲示を出す際に、「その日に不在の場合は事前に連絡をください」と連絡先を記載しておく
◎点検日の予備日を設けて、不在の世帯には予備日に在宅していてもらえるよう調整する
◎不在でも立ち入って点検できるよう、点検を告知する文書や管理規約に「不在の場合は管理人立会いのもとで部屋に入って点検させてもらう」旨を盛り込んでルール化しておく

《住人側の対処法》

◎オーナーや管理者に当日は不在であることを連絡し、別の日に再点検してもらうことはできるか調整してもらう
◎「不在でも立ち入って点検する」というマンションの場合、消火器や感知器の周囲を点検しやすく片付けておく

ちなみに、管理者側が「住人が不在でも立ち入って点検する」ことは理不尽ではなく、実際にそうしているマンションもあります。

というのも、国土交通省が作成した「マンション標準管理規約」では、マンション管理者は必要があれば専有部分への立ち入りを請求することができ、住民はこれを正当な理由なく拒否してはいけない、と規定されているからです。

マンションごとに管理規約は異なりますが、上記の標準管理規約に基づいて「不在でも立ち入って点検する」という一条を盛り込んでおけばいいのです。

マンションでの消防設備点検や自動火災報知設備点検についてもっとくわしく知りたければ、別記事「マンションの消防設備点検とは?共用部分と個室内の点検内容を表で解説」も参照してみてください。

4-5. 点検を拒否できるのか

マンション住民の中には「どうしても部屋に立ち入られたくない、点検を拒否したい」という人もいるでしょう。

そんなことは可能なのでしょうか?結論からいえば、点検を拒否することは不可能ではありません。

マンションの管理者にとっては消防設備点検は法で定められた義務ですが、住人に対しては法的義務は課せられておらず、あくまで「努力義務」にとどまっています。

前項で触れたように、マンション管理組合の規約に「立ち入り点検を拒否してはいけない」という一文があったとしても、それに対して重い罰則はないでしょう。また、マンションによっては「全室点検」を目指すのではなく、最初からある程度拒否されることを想定して、「80%の部屋を点検できればOK」といった基準を独自に定めているケースもあります。

その場合は、拒否しても問題にはなりにくいと思われます。ただし、「拒否することも可能」だからと言って、「拒否しても大丈夫」なわけではありません。

点検を受けなければ、もし機器が故障していても見逃されてしまい、大変危険です。あなたの部屋で火災が起きたときに、感知器がうまく作動しなければ火災の発見が遅れ、被害を大きくしてしまうかもしれません。

あなただけでなく、ほかの住民の命や財産を危険にさらす恐れがあるのです。「自分がイヤだから」と点検を拒否するのではなく、「自分だけでなく、みんなの安全のために」点検を受けることを考えてみてください。

ちなみに前項でも触れましたが、実際に居室内で点検されるのは以下の3点です。

◎消化器
◎自動火災報知設備(感知器・報知器)
◎避難はしご

自動火災報知設備だけでなく消防設備全般をチェックするので、ベランダの避難はしごなども見られることを知っておきましょう。


まとめ

いかがでしたか?火災報知器の点検について、疑問や不安が解消されたことと思います。

では最後に、この記事の要点を振り返ってみましょう。

◎火災報知器には大きく2種類あり、点検義務も異なる

1)自動火災報知設備:消防法で点検が義務づけられ、罰則もある

2)住宅用火災警報器:法的な点検義務はない

◎マンションの住人が不在の場合でも、立ち入り点検できる方法はある
◎マンション住人には点検を受け入れる法的義務はないが、マンションの管理規約に違反する場合がある

これらに留意して、正しく火災報知器点検を行い、万が一の火災で被害を最小限に抑えられるよう備えてください!

創業以来60年の実績がある東和総合サービスで「安全と信頼の設備管理」を手に入れませんか?

「管理費が高い」「作業の質が低い」「対応や連絡が遅い」とお悩みではございませんか?昭和34年創業の弊社はビル管理のパイオニアならではの「安全と信頼の設備管理」をお届けすることができます。具体的には下記の検査・点検が可能です。

  • 消防設備点検(防火対象物点検)
  • 建築設備定期検査・特定建築物定期調査・防火設備定期検査
  • 巡回設備点検
  • 常駐設備員
  • 24時間の設備緊急対応
  • その他設備点検全般

設備管理業務は設備トラブルが起きないよう維持管理することが大切で、建物を利用する人々の安全を守る重要な業務です。ビル管理業界の草創期に創業し半世紀の間蓄積したノウハウでお客様のお悩みを解決できるよう全力で取り組んでまいります。

    お問い合わせフォーム

    あらゆるご依頼を喜んでお手伝いさせていただきます。
    お見積もりに関することなら何でもお気軽にお問い合わせください。
    ※担当者より2営業日以内にお返事差し上げます。

    建物の所在地必須
    ご担当者名必須
    会社名
    (法人のみ)
    Eメールアドレス必須
    ご記入欄

    コメント

    設備管理のご相談はこちらから
    03-6205-8866 06-6563-9690 詳しい内容を見てみる
    設備管理のご相談はこちらから