マンションの消防設備点検とは?共用部分と個室内の点検内容を表で解説

点検

「マンションの管理をすることになったけれど、消防設備の点検って何をすればいいの?」
「消防設備点検を拒否したり、居留守を使う住人がいて困っている……」

そんな疑問や悩みを抱いているマンションオーナーさんはいませんか?

消防設備点検は法律で義務付けられているもので、マンションでももちろん行わなければいけません。

といっても、オーナーや管理者が自分でする必要はなく、消防設備士、消防設備点検資格者という専門家に依頼すればいいのです。

ただマンションの場合は、各個室の中にも消防設備があるので、住人に許可をもらって全戸に入室しなければならないのが難点となっています。

「仕事でずっと不在だから対応できない」
「女性のひとり暮らしだから、知らない人に入られたくない」
「プライバシーを侵害されたくないのでとにかくイヤだ!」

など、さまざまな理由で点検を拒否されることがあるからです。

が、消防設備の点検は消防法で定められた義務ですから、絶対に行わなければなりません。

それに実は、住民にも点検に協力する義務があり、拒否してはいけないのです。

もし住民が点検をさせなかったせいで、火災の際に損害や被害が発生してしまったら、その住民は損害賠償を請求される可能性さえあります。

そこでこの記事では、マンションでの消防設備点検が正しく行われるための知識を提供していきます。

まずは

◾️マンションの消防設備点検とはどんなものか
→誰がどんな点検をするのか、点検頻度

について、表をまじえてくわしくわかりやすく説明します。

さらに、

◾️マンション住民が点検日に不在だったり拒否したりした際の対処法
◾️点検の費用

といった、オーナーさんが知っておくべき事柄もお伝えします。

これを最後まで読めば、マンションの消防設備点検がスムーズに行えるようになるはずです。

あなたのマンションの消防設備が、法律を守って正しく点検されるよう願っています。


1. マンションの消防設備点検とは

消化器

ビルやマンションなど大勢の人が利用する建物には、消防法により消防設備の点検が義務付けられています。

「消防用設備等点検報告制度」という制度で、消火設備や避難設備など、火災に備えた設備が正常に利用できるかどうか、定期的にチェックしなければならないのです。

ではマンションの場合、いったいどんな点検が必要でしょうか?

点検を行う義務を負うのは誰なのでしょうか?

まずこれらの疑問について、くわしく説明していきましょう。

1-1. 誰に点検義務があるのか

マンションの消防設備点検を義務付けている法律は、消防法第17条の3の3です。

その条文では、この点検報告の義務を負うのは「防火対象物の関係者」と定められています。

この「防火対象物」にマンションが含まれていて、「関係者」は「防火対象物又は消防対象物の所有者、管理者又は占有者」と定義されているのです。

これをわかりやすく言い換えると、

◎マンションの消防設備点検の義務を負うのは、そのマンションのオーナー、管理担当者、占有者=マンションの住人のうち誰かである

ということになります。

注意したいのは住人にも点検義務がある点で、分譲の場合はもちろん賃貸で借りている人も含まれるのです。

ただ実際は、オーナーや管理組合が点検を実施して、住人は点検が行われる際に協力を求められるだけ、というケースがほとんどなので安心してください。

ちなみに、参考までに消防法の条文をあげておきますので、興味があれば目を通してみましょう。

【消防法】

第十七条の三の三

第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(第八条の二の二第一項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。

1-2. 誰が点検するのか

実際の点検は誰がするのでしょうか?

それも消防法第17条の3の3に定められていますが、条文は難しいので、わかりやすく説明しましょう。

多くの場合、点検を行うことができるのは、

◎消防設備士
◎消防設備点検資格者

のいずれかの資格を持つ者に限られます。

マンションのオーナーや管理組合、管理会社が、これらの有資格者が所属している点検業者に委託して点検してもらうのです。

ただ、延べ面積1000㎡未満のマンションの場合は、資格のないオーナーや管理担当者が点検することも認められています。

といっても、現実的には自分で行なっている人は少ないでしょうし、東京消防庁なども有資格者による点検を推奨しています。

消防設備は、火事からマンションや住人を守るための非常に重要なものです。

もし無資格者が点検して故障や不具合を見落としてしまったら、火事の際に多くの人命や財産が失われかねません。

そんな悲劇を未然に防ぐためには、経験豊富な点検業者に依頼するべきでしょう。

1-3. どんな点検をするのか

次に、もっともみなさんが知りたいであろう「マンションの消防設備点検では、何をどんな風に点検するのか?」について、くわしく説明しましょう。

まず、消防設備点検で点検するのは、大きく分けて以下の5種類の設備です。

1)消火設備:消火器、スプリンクラー、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、屋外消火栓など
2)警報設備:自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、非常ベル、放送設備など
3)避難設備:避難はしご、救助袋、誘導灯など
4)消防用水:防火水槽など
5)消火活動上必要な設備:排水設備、連結散水設備、連結送水管、非常コンセント設備など

それぞれの細かい点検内容と点検基準は総務省消防庁ホームページ「消防用設備等の点検基準、点検要領、点検票」で確認できますので、参照してください。

また、点検には2種類あって、

◾️機器点検:6ヶ月ごとに外観や機器の機能を確認する

◾️総合点検:1年ごとに機器を作動させて機能を確認する

ことが必要です。

ここでは、特にマンションでは何をどのように点検するのか、「共用部分」と「専有部分(居室内)」に分けて見ていきましょう。

共用部分

マンションの敷地内で、屋外や廊下、屋上など住人が住む居室以外の共用部分には、さまざまな消防設備があります。

何があるかはマンションごとに異なりますので、ここでは主なものと点検内容を挙げてみました。

※実際の点検項目は非常に多岐にわたり、細かい基準が設けられているので、総務省消防庁ホームページの「消防用設備等の点検基準、点検要領及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式」で確認してみてください。

【マンション共有部分の消防設備点検の主な項目と点検内容】

消防設備

点検内容

消火器具

設置場所は通行や避難に支障ないか

損傷や変形、腐食がないか

消火薬剤が変色、腐敗、固化していないか など

屋内消火栓設備

変形、損傷、漏水、著しい腐食などがないか

加圧送水装置が確実に作動するか

放水量が規定通りか など

スプリンクラー設備

変形、損傷、漏水、著しい腐食などがないか

規定の水量が確保されているか

放水圧力が規定通りか など

水噴霧消火設備

変形、損傷、漏水、著しい腐食などがないか

水噴霧ヘッドの周囲に散水分布を妨げるものはないか

放水圧力や放水量は規定の範囲内か など

泡消火設備

変形、損傷、著しい腐食などがないか

消火薬剤に変色や腐敗がなく規定量以上貯蔵されているか

一斉開放弁が確実に作動すること など

不活性ガス消火設備

貯蔵容器、取付枠、各種計器などに変形、損傷、著しい腐食、錆、塗装のはく離などがないか

警報装置や遅延装置が確実に作動するか など

ハロゲン化物消火設備

貯蔵容器、取付枠、各種計器などに変形、損傷、著しい腐食、錆、塗装のはく離などがないか

警報装置や遅延装置が確実に作動するか など

粉末消火設備

貯蔵容器、取付枠、各種計器などに変形、損傷、著しい腐食、錆、塗装のはく離などがないか

警報装置や遅延装置が確実に作動するか など

屋外消火栓設備

変形、損傷、漏水、著しい腐食などがないか

加圧送水装置が正常に作動するか

放水量、放水圧力が規定の範囲内か など

動力消防ポンプ設備

周囲に使用上及び動力消防ポンプの接近の障害となるものがないか

断続運転状態や異常音が発生しないか

放水量が、規定圧力において規定量以上であるか など

自動火災報知設備

常用電源を停電状態にしたとき、自動的に予備電源または非常電源に切り替わり、常用電源が復旧したとき自動的に常用電源に切り替わるか

受信機や中継機に検定合格証が貼付されているか

感知器は確実に作動するか など

ガス漏れ火災警報設備

常用電源を停電状態にしたとき、自動的に予備電源または非常電源に切り替わり、常用電源が復旧したとき自動的に常用電源に切り替わるか

受信機や中継機に検定合格証が貼付されているか

中継器、ガス漏れ表示灯および検知区域警報装置が正常に作動するか など

漏電火災警報器

周囲に可燃性蒸気、可燃性粉じん等が滞留するおそれのない安全な場所に設けられているか

音響装置の周囲に音響効果を妨げるものがなく、常時人がいる場所に設けられているか

漏電火災警報器の作動と連動して電流の遮断を行う装置は確実に遮断するか など

消防機関へ通報する火災報知設備

通話中の電話回線が強制的に発信可能な状態になるか

蓄積音声情報の内容が適切であるか

発信機からの信号が消防機関に正常に送信されるか など

非常警報器具及び設備

音圧及び音色が他の機械等の音と区別して明瞭に聞き取れるか

放送設備が確実に起動し、感知器発報放送を行った後、自動的に火災放送が行われるか

火災表示及び音響装置並びにスピーカーの鳴動が正常に行われるか など

避難器具

格納場所の付近に物品などが置かれて当該機器の所在がわかりにくくなっていないか

器具に応じた操作面積が確保されているか

各部に変形、損傷、錆、著しい腐食などがないか など

誘導灯及び誘導標識

所定の位置に設置されているか

誘導灯の周囲に間仕切り、衝立、ロッカー等があって、視認障害となっていないか

不点灯、ちらつきなどがないか など

消防用水

貯水槽に変形、損傷、漏水、著しい腐食等がないか

水量は規定以上確保されているか

周囲に使用上及び消防自動車の接近の障害となるものがなく、消防ポンプ自動車が2m以内に容易に接近できるように設けてあるか など

排煙設備

周囲に煙の流動などに障害となるような棚、物品などが置かれたり、造られてたりしていないか

排煙口、給気口などの開放と連動して、排煙機および給気機が確実に起動するか

運転中に不規則、不連続な雑音または異常な振動、発熱がないか など

連結散水設備

送水口の周囲に使用上及び消防ポンプ自動車の接近に支障となるものがなく、送水活動に障害となるものがないか

一斉開放弁の開閉機能が正常であるか

散水ヘッドに散水分布の障害となる塗装、異物の付着などがなく、かつ周囲に散水分布の障害となるものがないか など

連結送水管

(共同住宅用連結送水管)

送水口の周囲に使用上及び消防ポンプ自動車の接近に支障となるものがなく、送水活動に障害となるものがないか

ホースおよびノズルは必要本数が所定の位置に正常に収納されているか

加圧送水装置が確実に作動するか など

非常コンセント設備

(共同住宅用非常コンセント設備)

保護箱の表面に「非常コンセント」である旨の表示が適正になされているか

非常コンセントのさし込接続器は規格に適合するもので、変形、損傷、著しい腐食、異物のつまりなどがないか

電圧は規定の範囲内であるか など

無線通信補助設備

保護箱内の見やすい位置に最大許容入力、使用できる周波数帯及び注意事項の表示があるか

無線機接続端子のコネクターが確実、かつ、容易に着脱できるか

増幅器の設置場所は防災センター、中央管理室、常時人がいる室等で、壁、床及び天井が不燃材料で造られており、開口部に建築基準法第2条第9号に規定する防火設備を設けた室に設けられているか など

非常電源

(自家発電設備)

発電機室(不燃専用室)内又はキュービクル内に、水の浸透、水たまり、冷却水配管等からの漏水等がないか

運転中に漏油、異臭、不規則音、異常な振動、発熱等がなく、運転が正常であるか

常用運転から非常用運転への切り替え時間が40秒以内であるか など

自分のマンションにはどの消防設備があるのかを確認して、点検漏れのないようにしましょう。

専有部分(居室内)

マンションの場合、各住人が住んでいる部屋=専有部分の中にある消防設備も点検しなければなりません。

そのためには室内に立ち入る必要があるので、住人には事前に点検日時を周知する必要があります。

ここで点検するのは以下の3つの設備です。

◎消化器
◎自動火災報知設備(感知器・報知器)
◎避難はしご

主な点検内容は以下の表の通りで、点検時間は1室5〜10分程度で終わります。

【マンション共有部分の消防設備点検の主な項目と点検内容】

消防設備

点検内容

消火器具

設置場所は通行や避難に支障ないか
損傷や変形、腐食がないか
消火薬剤が変色、腐敗、固化していないか など

自動火災報知設備

感知区域の面積及び取付け面の高さに応じた感知器の種別及び個数が設置されているか
感知器が確実に作動するか など

避難器具(避難はしご)

格納場所の付近に物品などが置かれて当該機器の所在がわかりにくくなっていないか
つり下げ式のものは、はしごの全長が円滑に伸長し、突子が壁側に向いており壁と横さんとの間隔は10cm以上を有し、縦棒は垂直に、横さんは水平となっており、最下部横さんから降着面等までの高さが50cm以下であるか
各部に変形、損傷、錆、著しい腐食などがないか など

1-4. 点検頻度

消防設備の点検は定期的に行って、その結果を消防機関に報告することが義務付けられています。

マンションの場合の点検頻度は以下の通りです。

◾️点検: 年2回

  • 機器点検:6ヶ月ごと(外観や機器の機能を確認)
  • 総合点検:1年ごと(機器を作動させて機能を確認)

◾️報告:3年に1回

年2回の点検というのは頻繁に感じるかもしれませんが、忘れずかならず行なってください。

というのも、点検を怠ると安全管理が行き届かなくなる上に、法律で罰則も定められているからです。

その罰則については、次の項で説明します。

1-5. 点検を怠ると罰則がある

マンションのオーナーや管理者が消防設備点検を行わなかった場合、あるいは虚偽の報告を行なった場合は消防法で罰則が定められていて、「30万円以下の罰金または拘留」が課せられる恐れがあります。

年2回の点検を忘れずに、正しく報告するよう注意してください。

ちなみに消防法の条文を以下にあげておきますので、参照してください。

【消防法】

第四十四条

次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金又は拘留に処する。

(中略)

十一 第八条の二の二第一項(第三十六条第一項において準用する場合を含む。)又は第十七条の三の三の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者


2. マンション住民が点検日に不在の場合の対処法

インターフォン

ここまで消防設備点検の内容について説明してきました。

実際の点検作業は専門の点検業者に任せればいいのですが、そのためにオーナーや管理者が対応しなければいけない、マンションならではの重要な問題があります。

それは、「点検日を住人に周知して、在宅してもらえるようお願いする」ということです。

もし当日不在の世帯があると、室内に立ち入って点検することができないからです。

その場合、選択肢は以下の2つです。

  • 不在時には立ち入らず、別の日に在宅してもらって再点検する
  • 不在でも立ち入って点検する

「不在でも立ち入っていいの?」と思うかもしれませんが、これについては後ほど説明します。

いずれにしろ、多くの世帯が入居しているマンションでは、全室が同じ日に在宅することは現実的には不可能でしょう。

そのため事前に以下のような対応をしておくことをおすすめします。

《オーナー・管理者側の対処法》

◎住人に点検日を知らせるチラシや掲示を出す際に、「その日に不在の場合は事前に連絡をください」と連絡先を記載しておく
◎点検日の予備日を設けて、不在の世帯には予備日に在宅していてもらえるよう調整する
◎不在でも立ち入って点検できるよう、点検を告知する文書や管理規約に「不在の場合は管理人立会いのもとで部屋に入って点検させてもらう」旨を盛り込んでルール化しておく

《住人側の対処法》

◎オーナーや管理者に当日は不在であることを連絡し、別の日に再点検してもらうことはできるか調整してもらう
◎「不在でも立ち入って点検する」というマンションの場合、消火器や感知器の周囲を点検しやすく片付けておく。避難はしごの上や周囲にものを置かないようにする

ちなみに、オーナー側が住人に「不在でも立ち入って点検させてほしい」と主張するのは理不尽なことではありません。

というのも、国土交通省が作成しマンション標準管理規約では、マンション管理者は必要があれば専有部分への立ち入りを請求することができ、住民はこれを正当な理由なく拒否してはいけない、と規定されているからです。

マンションごとに管理規約は異なりますが、上記の標準管理規約に基づいて「不在でも立ち入って点検する」という一条を盛り込むことは可能でしょう。

以下に標準管理規約の条文をあげておきますので、あなたのマンションの管理規約と比較してみてください。

【マンション標準管理規約】

第23条

前2条により管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる。

2 前項により立入りを請求された者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。

3 前項の場合において、正当な理由なく立入りを拒否した者は、その結果生じた損害を賠償しなければならない。

第67条

区分所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若しくはその同居人(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。

3 区分所有者等がこの規約若しくは使用細則等に違反したとき、又は区分所有者等若しくは区分所有者等以外の第三者が敷地及び共用部分等において不法行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経て、次の措置を講ずることができる。

一 行為の差止め、排除又は原状回復のための必要な措置の請求に関し、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行すること

これによると、もし住人が立ち入りを拒否した場合、そのせいで火事の損害が生じてしまえば賠償責任を問われる可能性もあるとされています。

この問題については次の章で説明しましょう。


3. マンション住民が点検を拒否する場合の対処法

手

マンションで消防設備点検を行う旨を住人に告知すると、「プライバシーを保ちたいので立ち入らないでほしい」と点検を拒否したり、点検日に居留守を使って立ち入らせなかったりする世帯もあります。

その場合は、前章であげた「マンション標準管理規約」の条文を参考に以下のように対応しましょう。

《オーナー・管理者側の対処法》

◎不在でも立ち入って点検できるよう、点検を告知する文書や管理規約に「不在の場合は管理人立会いのもとで部屋に入って点検させてもらう」旨を盛り込んでルール化しておく
◎拒否する世帯に、点検の必要性を説明して納得してもらえるよう務める
◎それでも拒否する場合は、そのせいで損害が生じた際には賠償責任が生じることなども説明し、標準管理規約の第67条により勧告、指示、警告を行う
◎最終手段として、法的措置を講ずる

《住人側の対処法》

◎点検の必要性を理解し、協力する
◎立ち入られることに拒否感があるなら、最小人数にしてもらえるようオーナーに頼む

点検を拒否して消防設備の不具合を放置してしまうと、もし火事が起きた際に、

  • 感知器が作動せず火事の発見が遅れてしまう
  • 避難はしごのまわりに荷物を置いていて、はしごが使えず逃げられない

といった危険性もあります。

消防設備点検の拒否は、自分の財産や命だけでなく他の住人をも危険にさらす行為だということを、オーナーも住人もよく理解してください。


4. マンションの消防設備点検の費用

費用

そんな重要な消防設備点検ですが、点検業者に依頼する際の費用はどれくらいかかるのでしょうか?

ここでは参考までに、東和総合サービスの「マンション消防点検」の料金をお知らせしておきましょう。

【東和総合サービス「マンション消防点検」価格表】

消防設備点検(1回当り)

床延面積

価格

~1,000m²未満

30,000円

~2,000m²未満

35,000円

2,001m²~

別途見積り

※上記は東京都23区内の価格です。その他の地域の場合は別途費用が発生する場合があります。
※点検実施前のお知らせの掲示及び配布をご希望の場合は別途費用が必要です。
※上記価格には消火器・誘導灯・避難器具・連結送水管・自火報の点検が含まれています。
※上記価格には点検、報告書の作成・提出まで含まれています。
※消防署への提出(3年に1回)は別途費用となります。


5. 消防設備の定期点検とは

消化器

ここまでマンションの消防設備点検についてくわしく説明してきました。

が、「そもそも消防用設備等点検報告制度とはどんな制度なのか、よくわからないので知りたい」という人もいるかと思います。

そんな人はぜひ、別記事「消防設備点検と報告は義務!年に2回の点検はプロに任せて安全確保」を呼んでください。

制度の内容はもちろん、

◾️所有者が消防設備点検を行うためにすべきこと
◾️点検対象となる建物
◾️消防設備の取り替え事例

などについてもくわしく解説されています。

この記事の内容と合わせて、法律に従った正しい消防設備点検を行いましょう。


まとめ

いかがですか?

マンションの消防設備点検について、よく理解してもらえたかと思います。

では最後にもう一度、この記事の要点をまとめましょう。

◾️マンションの消防設備点検は、オーナー、管理者、住民の義務である

◾️実際に点検を行うのは、

  • 消防設備士
  • 消防設備点検資格者

◾️点検頻度は年2回

◾️個室内で点検するのは、

  • 消化器
  • 自動火災報知設備(感知器・報知器)
  • 避難はしご

以上を踏まえて、正しく消防設備点検を行なってください!

創業以来60年の実績がある東和総合サービスで「安全と信頼の設備管理」を手に入れませんか?

「管理費が高い」「作業の質が低い」「対応や連絡が遅い」とお悩みではございませんか?昭和34年創業の弊社はビル管理のパイオニアならではの「安全と信頼の設備管理」をお届けすることができます。具体的には下記の検査・点検が可能です。

  • 消防設備点検(防火対象物点検)
  • 建築設備定期検査・特定建築物定期調査・防火設備定期検査
  • 巡回設備点検
  • 常駐設備員
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  • その他設備点検全般

設備管理業務は設備トラブルが起きないよう維持管理することが大切で、建物を利用する人々の安全を守る重要な業務です。ビル管理業界の草創期に創業し半世紀の間蓄積したノウハウでお客様のお悩みを解決できるよう全力で取り組んでまいります。

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