所有の建物が防火設備定期検査の対象かどうか?対象になる条件はどうなっているのか?わからない方も多いと思います。

建物によって設備の設置内容が全く違い、また建物は色んな用途で利用され、階数や規模も大きく違いがあります。都道府県や市町村によっても検査対象が違い、定期報告を行う必要があるのかどうか判断に迷くことも多いのが現状です。

そこで今回は防火設備定期検査の検査対象に焦点を合わせわかりやすく説明していきます。是非この記事を参考に対象かどうかを判断していただきまして検査対象の建物については安全を維持するためにも定期報告を行ってほしいと思います。


1.防火設備定期検査が対象になる建物

防火設備定期検査の対象になる建物の条件は特定行政庁によっても違い、その条件は多岐にわたっています。

検査を行う必要がある条件は大きく分けると「設備」「用途」「規模」「地域」の4つの条件に分かれています。4つの条件が満たされた建物は建築基準法12条で定められた定期報告を行わなければなりません。

特定行政庁とは・・・簡単に言うと各都道府県や、人口25万人以上の市町村のことです。(※現状では大部分で人口10万人以上の市町村が特定行政庁となっています)

参考までに東京都と大阪府の対象一覧表をお知らせしますので参考にして下さい。

それでは順番に見てまいりましょう。

1-1.設備による条件

定期報告の対象となる防火設備は、火災の時に、煙や熱に感知して連動閉鎖したり作動する防火設備です。

この防火設備には例えば、防火扉や防火シャッター・耐火クロススクリーン・ドレンチャー等があります。これらの設備がない建物や設置されていても常時閉鎖式の防火設備、防火ダンパーは防火設備定期検査報告の対象外になります。

1-2.用途による条件

 防火設備定期検査は建物の用途によって検査対象かどうかが決められています。建物は幅広い用途に使用されています。建築基準法において定められている防火設備定期検査では一定の用途の建物で行うことが定められています。

検査を行わなければならない建物の用途とは、美術館、事務所、映画館、ホテル、病院、百貨店、飲食店などがあります。この検査は人々の安全を守るために定められたものですので多くの不特定多数の方が出入りする建物ほど条件が厳しくなります。

1-3.規模による条件

 防火設備定期検査は建物の規模によっても検査対象が決められています。規模には建物の「階数」「延床面積」の条件があります。「階数」「延床面積」の条件それぞれが該当した場合には検査を行う必要があります

1-3-1.階数

建物は地階から地上にかけて高層ビルから低層ビルまで階数は千差万別です。防火設備定期検査では「2階以上」など一定の階数の建物で行うことが定められています。

1-3-2.延床面積

延床面積も建物により大きな違いがあります。防火設備定期検査では「2,000㎡以上」などの一定の規模の建物で行うことが定められています。

1-4.所在地による条件

防火設備定期検査は建物の所在地によっても検査対象が変わることがあります。理由は特定行政庁ごとに検査条件が定められているからです。事前に建物の所在地を管轄する特定行政庁に確認をお願いします。

防火設備定期検査は基本的に全ての建物で年1回行うこととなっていますが、たとえば大阪府では共同住宅の場合は、非常用エレベーターが設置されていることが条件となっています。

この通り、特定行政庁によって検査条件が異なるために検査対象がどうかは必ず事前に確認を行なう必要があります。


2.まとめ

防火設備定期検査は基本的に年1回実施が決められていますが設備、用途、規模、特定行政庁によって検査条件が変わります。

設備については検査対象の設備がその建物に設置されているかどうか。
用途については建物を利用する目的が劇場や学校など、検査対象になっているかどうか。
規模についてはその建物の階数や大きさが検査対象になっているかどうか。

特定行政庁については建物が所在する地区を管轄する特定行政庁によって検査条件が異なっていることがあります。

事前に建物の所在地にある特定行政庁で検査対象かを確認の上、検査対象である建物の場合は建物を利用す人々の安全確保のためにも必ず検査を行って下さい。

「防火設備定期検査」についてもっと詳しく知りたい方は当ブログ「防火設備定期検査|火災から守るために最低限知ってほしい内容と費用」を是非お読みください

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