特定建築物とは?ビル管法や定期報告での定義と対象建築物一覧を解説

街並み

「『特定建築物には、ビルの点検と定期報告の義務がある』と聞くが、特定建築物って何?」
「ビルの管理を任されたけれど、このビルは特定建築物? あるいはそうではない?」

ビル管理に関して、そんな疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。

ひとことで言えば、「特定建築物」とは法律で定められたある規定に該当する建物のことです。

ですから特定建築物には明確な定義があります。

が、問題は、「特定建築物」という用語が使われる法律はいくつもあって、法律ごとに用語の定義や規定が違うことです。

例えば、「建築基準法」における特定建築物と、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称・ビル管法)」でいう特定建築物とでは、該当する建物が異なるのです。
そこでこの記事では、あなたのビルが「特定建築物なのか、そうでないのか」を正確に判断できるよう、

◎法律ごとの「特定建築物」の定義

  • 建築基準法の場合
  • ビル管法の場合

について、くわしく解説していきます。
さらに、

◎建築基準法で特定建築物に該当する建物一覧
◎ビル管法で特定建築物に該当する建物一覧

を掲載しています。
特に、建築基準法での特定建築物については、都道府県ごとに規定が違うので、

◎47都道府県すべての「特定建築物」がわかるリン

も載せていますので、「自分の県ではどういう規定かな?」と知りたい場合に利用してください。
また、参考として、

◎もし特定建築物に該当したら、何をどうすればいいのかまで説明してあります。

この記事を最後まで読めば、

「自分の関わるビルが特定建築物なのかどうか」
「特定建築物であれば、何をすべきか」

がすべてわかるはずです。

あなたが法律にしたがって正しくビルの管理をできるようになることを願っています。


1. 特定建築物とは

ビル

「特定建築物」とは、簡単に言えば建物に関する法律において、その法律の適用対象となる「特定の建物」を指す法律用語です。

では、どんな法律で使われ、どんな建物が含まれるのでしょうか?
まずはその定義や使われ方から解説していきましょう。

1-1. 「特定建築物」の定義は関連する法律ごとに違う

実は「特定建築物」という言葉が使われる法律はいくつかあります。
そして、「どんな建物が特定建築物とされるか」という定義は、その法律ごとに違うのです。

その主な法律は、以下の通りです。

◾️建築基準法
◾️建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称・ビル管法)
◾️高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律
◾️建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律 など

中でも特に、よく問題になるのは以下のふたつについての定義や適用範囲です。

◎建築基準法で義務づけられている「定期報告制度(12条点検)」が必要な「特定建築物」

「定期報告制度」とは、建築基準法第12条に定められた建物についての安全点検・報告の制度で、「12条点検」とも呼ばれています。
大勢の人が出入りする「特定建築物」に対して、定期的に決められた安全点検をして、行政に報告を行うよう、建物の所有者や管理者に義務を課した法律です。

◎ビル管法で、ビル管理が必要となる「特定建築物」

ビル管法では、「特定建築物」の空調や給排水など衛生環境についての基準を定めていて、建物の所有者や管理者がその基準を守るよう義務づけられています。
そこで次の項から、このふたつの法律における「特定建築物」の定義や、どんな建物が該当するかの判断基準について、くわしく説明していきましょう。

1-2. 建築基準法の定期報告制度(12条点検)における特定建築物の定義

まず、建築基準法での「特定建築物」の定義ですが、簡単に言えば、これには一般的な住宅は含まれず、大勢の人が利用する施設が指定されています。

くわしくは、建築基準法第2条を見てみましょう。
ちなみに建築基準法では、もともと「特殊建築物」という用語を使用していました。

それが法改正により、現在では「特定建築物」と呼ぶようになっています。

<建築基準法>

第二条 

二 特殊建築物 学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。

が、建築基準法の中でも、第12条の「定期報告制度」の対象となる「特定建築物」については、以下の2種類に分けてさらに細かく定義されています。

1)国が政令で指定する建築物

国が定める特定建築物は、

◎劇場、病院、百貨店など、特定の用途に使われる建物で、
◎その用途に使う部分の床面積の合計が200㎡以上あるもの

と定められています。

この詳細については、「2 建築基準法の定期報告制度(12条点検)における特定建築物」でさらに細かく解説しますので、そちらを参照してください。

2)特定行政庁がそれぞれに指定する建築物

国が定める特定建築物に加えて、特定行政庁がそれぞれ独自の基準で定めた特定建築物もあります。
これについては、各特定行政庁で確認する必要があります。

例えば東京都の場合、国の規定に加えて、

◎学校、学校に付属する体育館で、床面積が2,000㎡以上のもの
◎5階建以上で延べ床面積が2,000㎡以上の事務所やそれに類するもので、3階以上の階にあって床面積が1,000㎡以上のもの

という規定が追加されていて、以下のサイトでくわしく知ることができます。

東京都都市整備局「定期報告対象建築物・建築設備等及び報告時期一覧」

こちらも「2 建築基準法の定期報告制度(12条点検)における特定建築物」でさらにくわしく説明しますので、確認してください。

1-3. ビル管法における特定建築物の定義

次に、ビル管法における「特定建築物」の定義を見てみましょう。

特定建築物の定義

(1)建築基準法に定義された建築物であること。
(2)1つの建築物において、次に掲げる特定用途の1又は2以上に使用される建築物であること。

特定用途:興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校(研修所を含む。)、旅館

(3)1つの建築物において、特定用途に使用される延べ面積が、3,000平方メートル以上であること。

(ただし、専ら学校教育法第1条に定められている学校(小学校、中学校等)については、8,000平方メートル以上であること。)

 

出典:厚生労働省ホームページ「建築物衛生のページ」

これについては、「3 ビル管法における特定建築物」で判別のしかたをさらにくわしく説明します。
以上のように、建築基準法、ビル管法、いずれの場合も多くの人が利用する建物で、一定以上の広さがあるものを「特定建築物」と位置づけていることがわかるでしょう。


2. 建築基準法の定期報告制度(12条点検)における特定建築物

ビル

法律の条文だけを読んでも、実際に「このビルは特定建築物に該当するのか?」は判断できませんよね。
そこで、この章ではさらにくわしく、建築基準法の定期報告制度で「特定建築物」とされる範囲について解説していきましょう。

2-1. 該当する建物一覧

前述したように、建築基準法第12条の「定期報告制度」の対象となる「特定建築物」には、以下の2種の定義があります。

1)国が政令で指定する建築物
2)特定行政庁がそれぞれに指定する建築物

これに該当する建物の所有者や管理者には、検査時期が来ると、基本的には特定行政庁から検査を行うよう検査通知書が届きます。
が、届かない場合でも、「特定建築物に該当していて報告義務があった」というケースがありますので、かならず「自分が所有または管理するビルは該当するかどうか」を確認してください。

ではまずこの項で、1)の国が一律に定めたものについて一覧表にしてみましたので、以下を見てください。

◎以下の表の用途に使われる建物で、
◎その用途に使う部分の床面積の合計が200㎡以上あるもの

が「特定建築物」とされています。

用途

規模

1

劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など

・3階以上の階にあるもの
・客席の床面積が200㎡以上のもの
・地階にあるもの
・主階が1階にない劇場、映画館、演芸場

2

病院、有床診療所、ホテル、旅館、就寝用福祉施設

(※別注参照)

・3階以上の階にあるもの
・2階の床面積が300㎡以上のもの
・地階にあるもの

3

体育館、博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツ練習場

(いずれも学校に附属するものを除く)

・3階以上の階にあるもの
・床面積が2,000㎡以上のもの

4

百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業を営む店舗

・3階以上の階にあるもの
・2階の床面積が500㎡以上のもの
・床面積が3,000㎡以上のもの
・地階にあるもの

※「就寝用福祉施設」とは、サービス付き高齢者向け住宅、認知症高齢者グループホーム、障害者グループホーム、助産施設、乳児院、障害児入所施設、助産所、盲導犬訓練施設、救護施設、更生施設、老人短期入所施設、小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護の事業所、老人デイサービスセンター、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、母子保護施設、障害者支援施設、福祉ホーム、障害福祉サービスの事業所を指します。

上記に該当する建物や施設は「特定建築物」として定期報告が義務づけられていますので、必ず定期点検・報告をしましょう。

定期報告制度についてさらにくわしく知りたい場合は、別記事「建物の安全を点検する「定期報告」制度:その点検内容と報告方法とは」を参照してください。

2-2. 特定行政庁ごとに定められた特定建築物

次に、前述した2)の特定行政庁がそれぞれに指定する「特定建築物」について説明します。
これについては、当該ビルを管轄する特定行政庁ごとに異なるので、それぞれに調べなければいけません。

「特定行政庁」とは、建築確認などを行う「建築主事」がおかれている地方自治体のことで、

a)すべての都道府県
b)政令で指定された人口25万人以上の市
c)その他建築主事を置いている市区町村

がそれにあたります。

もし、当該ビルがb)かc)にある場合は、a)ではなくb)かc)が管轄の特定行政庁になり、その市区町村に確認や定期報告をします。

b)かc)ではない場合は、a)の管轄になります。

特定行政庁は、47都道府県に市区町村を加えると全国で451もあり(2019年12月現在)、一覧が全国建築審査会協議会の「特定行政庁一覧」で確認できます。
それぞれの連絡先などを知りたい場合は、国土交通省の「特定行政庁の所在地・所管部(局)課・電話一覧」を参照してください。

全国建築審査会協議会「特定行政庁一覧」
国土交通省「特定行政庁の所在地・所管部(局)課・電話一覧」

ちなみに東京都の「特定建築物」の規定は、国の定めたものに、

◎学校、学校に付属する体育館で、床面積が2,000㎡以上のもの
◎5階建以上で延べ床面積が2,000㎡以上の事務所やそれに類するもので、3階以上の階にあって床面積が1,000㎡以上のもの

などが追加されています。

くわしくは、以下のサイトで確認できます。

東京都都市整備局「定期報告対象建築物・建築設備等及び報告時期一覧」

ここでは47都道府県の規定のみ以下にリンクしましたので、「管轄の特定行政庁が都道府県だ」という人は、以下から確認してみてください。

【各都道府県の特定建築物の規定】

都道府県

規定(リンク)

都道府県

規定(リンク)

都道府県

規定(リンク)

北海道

リンク

新潟県

リンク

岡山県

リンク

青森県

リンク

富山県

リンク

広島県

リンク

岩手県

リンク

石川県

リンク

山口県

リンク

宮城県

リンク

福井県

リンク

徳島県

リンク

秋田県

リンク

岐阜県

リンク

香川県

リンク

山形県

リンク

静岡県

リンク

愛媛県

リンク

福島県

リンク

愛知県

リンク

高知県

リンク

茨城県

リンク

三重県

リンク

福岡県

リンク

栃木県

リンク

滋賀県

リンク

佐賀県

リンク

群馬県

リンク

京都府

リンク

長崎県

リンク

山梨県

リンク

大阪府

リンク

熊本県

リンク

長野県

リンク

兵庫県

リンク

大分県

リンク

埼玉県

リンク

奈良県

リンク

宮崎県

リンク

千葉県

リンク

和歌山県

リンク

鹿児島県

リンク

東京都

リンク

鳥取県

リンク

沖縄県

リンク

神奈川県

リンク

島根県

リンク

2-3. 該当した場合にすべきこと

では、上記の規定にもとづいて、「うちのビルが建築基準法の特定建築物に該当していた」という場合はどうすればよいのでしょうか?

その場合、建物の所有者や管理者は、定期点検と特定行政庁への定期報告をしなければなりません。
具体的には、以下のことを行なってください。

検査会社の選定

定期報告制度では、点検と報告は誰でもできるものではありません。

以下の資格を持つ者だけが行えると定められています。

◎一級建築士
◎二級建築士
◎建築物調査員資格者証の交付を受けている者

昇降機の定期報告の場合は、昇降機等検査員資格者証の交付を受けている者

そのため、多くのビルオーナーや管理担当者は、定期報告を請け負う専門の検査会社に依頼しています。
ですのでまずは、検査会社を選んで依頼する必要があります。

検査会社を選ぶポイントや料金相場が知りたい場合は、別記事「12条点検とは?詳しい点検項目から業者に依頼する費用まで全解説」にくわしく解説してありますので参照してください。

定期点検と特定行政庁への定期報告

検査会社が決まったら、実際に点検、報告書の作成をしてもらって、特定行政庁へ提出します。

具体的には、以下の流れのうち赤文字部分所有者・管理者が行い、青文字部分検査会社に任せておけば大丈夫です。

◾️検査に必要な書類を準備
検査日の約1週間前までに、以下の資料を用意して検査会社に送りましょう。

<初回の検査の場合>

①確認済証
②検査済証
③建築平面図
④設備図面(消防設備等)
⑤面積記載図
⑥消防設備点検報告書

<2回目以降の検査の場合>

①前回報告書
②平面図
③消防設備点検報告書

 ▽

◾️検査

事前に依頼した検査日に、検査会社が建物を訪れて検査をします。

 ▽

◾️検査会社が報告書を作成

検査日から1週間程度で検査会社が報告書を作成し、郵送してくれますので、内容を確認します。

 ▽

◾️報告書に押印・返送

内容に問題がなければ、確認の押印をして検査会社に返送します。

 ▽

◾️検査会社が報告書を特定行政庁に提出

押印済みの報告書が検査会社に届いたら、検査会社から特定行政庁に提出します。
さらにくわしくは、別記事「12条点検とは?詳しい点検項目から業者に依頼する費用まで全解説」を参考にしてください。


3. ビル管法における特定建築物

ビル

次に、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」、通称ビル管法における「特定建築物」の定義をわかりやすく説明しましょう。

3-1. 該当する建物一覧

前述の「1-3 ビル管法における特定建築物の定義」で引用した厚生労働省による規定をわかりやすく一覧化すると、以下の2種類の建物が「特定建築物」となります。

①建物のうち延べ床面積3,000㎡以上が、以下の用途で使われている建築物

◎興行場(映画館、劇場、コンサートホール、演芸場など)
◎百貨店(デパートの他に、ショッピングモール、大規模スーパーなども含みます)
◎集会場(公民館、市民ホール、多目的ホール、文化会館、結婚式場、葬祭場、貸し会議室など)
◎図書館
◎博物館、美術館
◎遊技場(ボーリング場、ビリヤード場、ゲームセンター、パチンコ店、観客席のないスケート場など)
◎店舗(小売店、飲食店、理美容院など)
◎事務所(一般的な事務所の他に、研究所、銀行なども含みます)
◎旅館(旅館、ホテルなど)

延べ床面積が8,000㎡以上ある、以下の「学校」に当てはまる建築物

◎幼稚園
◎小学校
◎中学校
◎義務教育学校
◎高等学校
◎中等教育学校
◎特別支援学校
◎大学
◎高等専門学校
◎盲学校・ろう学校・養護学校
◎研修所

建物の「用途」と「延べ床面積」の両方が条件に該当すれば、特定建築物だというわけです。
ちなみに、延べ床面積の計算方法は以下を参考にしてください。

<延べ床面積の計算方法>

ひとつの建築物を、4つに区分して計算します。

A)前述の①②に該当する特定用途のためだけに利用されている部分(店舗、事務所の専用部分など)
B)Aに附随する、いわゆる共用部分(廊下、階段、洗面所など)
C)Aに附属する部分(百貨店内の倉庫、事務所附属の駐車場など)
D)①②の特定用途以外の用途で利用されている部分

A〜Dそれぞれの床面積の合計を出し、

①の用途の場合  A + B + C = 3,000㎡以上 → 特定建築物に該当する

②の用途(学校)の場合  A + B + C = 8,000㎡以上 → 特定建築物に該当する

3-2. 該当しない建物

反対に、大勢が出入りする建物であっても、「この用途に使われている建物は、ビル管法の特定建築物ではない」と断定できるものもあります。

以下に挙げた7種の建物は、床面積の広さに関わらず特定建築物に該当しません。

【特定建築物ではないもの】

▼マンション
▼病院
▼老人ホーム
▼工場
▼作業場
▼寄宿舎(宿泊施設ではあるが該当しません)
▼寺社仏閣・教会

例えばマンションの管理組合の理事になった人が、「うちのマンションは広いので、ビル管法の特定建築物に当てはまるのではないか?」「ビル管法で決められた衛生管理をしなければならないのではないか?」と心配するケースもありますが、そもそもマンションはどれほど広くてもビル管法の対象にはならないので大丈夫、というわけです。

3-3. 条件により該当する建物

一方で、同じ用途で使われる建物であっても、個別に「特定建築物に該当する場合」と「該当しない場合」がある建物もあります。

以下のような場合です。

【条件により特定建築物になり得るもの】

◇体育館・スポーツ施設:通常は該当しませんが、コンサートなどの興行場として使われている体育館は該当する可能性があります。
◇フィットネスクラブ:通常は該当しませんが、娯楽性が強く遊技場と同様だと判断されれば、該当する可能性があります。
◇駅:通常は該当しませんが、駅舎内にある店舗や事務所など、「3-1 該当する建物一覧」で挙げた①②に当てはまる用途で利用されている面積の合計が3,000㎡以上になれば、特定建築物に該当する可能性があります。
◇地下街:駅と同様です。
◇駐車場:単体では該当しませんが、百貨店や事務所など、「3-1 該当する建物一覧」で挙げた①②に当てはまる建物に付随している駐車場は、その建物に含めて考えるので、建物とともに特定建築物に含まれる可能性があります。
◇倉庫:駐車場と同様です。
◇研究所:自然科学系の研究所は該当しませんが、人文・社会学系の研究所(教育研究所、経済研究所など)は「事務所」扱いとされ、面積の合計が3,000㎡以上であれば特定建築物に該当する可能性があります。

最近は、さまざまな種類の施設や店舗が混在している複合施設が増えているため、ビル管法の特定建築物についての判断も複雑になってきています。

もし判断がつかなかったり迷ったりしたら、最寄りの保健所に問い合わせてください。

3-4. 該当した場合にすべきこと

では、これらの規定によって、「うちのビルがビル管法の特定建築物に該当していた」という場合はどうすればよいのでしょうか?
まずはその建物の管理者をひとり選任した上で、管轄する保健所に「特定建築物」の届け出をしなければなりません。

以下に簡単に説明しますが、もっとくわしく知りたい場合は、別記事「ビル管法とは?対象となるビル、検査項目など基本知識を簡潔に解説」を参照してください。

「建築物環境衛生管理技術者」(ビル管理者)の選任

ビル管法における特定建築物には、「ビル管理者」をひとり選任しなければならないと決められています。
ただしこのビル管理者には、誰でもなれるわけではありません。

「建築物環境衛生管理技術者免状」、通称「ビル管理士」「ビル管理技術者」という国家資格を持っている者だけが、ビル管理者として認められます。

ビル管理者は、どんなに大きなビルであってもひとりだけ選任すれば大丈夫です。
また、ビルに常駐している必要もありません。

保健所への届け出

特定建築物の所有者または管理者は、

◯その建物の使用開始日から1ヶ月以内、または建物が新たに特定建築物になった日から1ヶ月以内に、
◯その建物の所在地を管轄する保健所を通して各都道府県知事宛に、

以下の内容を記した「特定建築物届書」を提出しなければなりません。

【特定建築物の届出事項】

 

1)特定建築物の名称

2)特定建築物の所在場所

3)特定建築物の用途

4)特定用途に供される部分の延べ面積

5)特定建築物の構造設備の概要

6)特定建築物維持管理権原者の氏名及び住所(法人の場合:名称、事務所所在地及び代表者氏名)

7)特定建築物の所有者等の氏名及び住所(法人の場合:名称、事務所所在地及び代表者氏名)

8)建築物環境衛生管理技術者の氏名等

9)特定建築物の使用開始日

これについては、別記事「ビル管法とは?対象となるビル、検査項目など基本知識を簡潔に解説」にさらにくわしく説明がありますので、必要であれば参照してください。

「建築物環境衛生管理基準」に基づくビル管理

ビル管法の目的は、ビルの衛生管理を適切に行い、建物を利用する人が衛生的・健康的に過ごせるように保つことです。

そのため、特定建築物に該当する建物の所有者・管理者は、以下の4項目について、「建築物環境衛生管理基準」と呼ばれる基準を守ってビルを管理する義務が生じます。

1)空気環境の調整
2)給水及び排水の管理
3)清掃
4)ねずみ、昆虫等の防除

この基準は非常に細かく定められているので、ここでは割愛しますが、「くわしく知りたい」という場合は、別記事「ビル管法とは?対象となるビル、検査項目など基本知識を簡潔に解説」に一覧表を掲載してありますので、確認してみてください。


まとめ

いかがでしたか?

あなたのビルが特定建築物がそうでないか、判断できたかと思います。

では最後にもう一度、記事の内容を振り返ってみましょう。

◎「特定建築物」の定義は関連する法律ごとに違う

◎建築基準法の定期報告制度(12条点検)における特定建築物は、
①国が政令で指定する建築物
②特定行政庁がそれぞれに指定する建築物

◎ビル管法における特定建築物は、
①建物のうち延べ床面積3,000㎡以上が、以下の用途で使われている建築物
興行場、百貨店、集会場、遊技場、店舗、事務所、旅館など
②延べ床面積が8,000㎡以上ある「学校」

もしあなたのビルが特定建築物であれば、法律にのっとって正しい点検や届け出、報告などができるよう願っています。

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