「ビルの管理をしなければいけないけれど、ビル管法ってどんな法律だろう?」
「自分が管理するビルは、ビル管法の対象になるんだろうか?」
あなたはビル管法について、そんな疑問を持っているのではないでしょうか。
ビル管法とは、正式名称を「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」といい、ビルの環境を衛生的に保つための法律です。
この法律により、ビルの空気や水質の検査や清掃、ネズミの駆除などが義務づけられています。
ただ、すべてのビルがその対象になるわけではなく、建物の用途や広さについて「特定建築物」という基準に合致しているビルだけが対象になります。
そこでこの記事では、
- ビル管法とはどんな法律か
- ビル管法の対象となる「特定建築物」の定義
- ビル管法で必要な届出・資格
- ビル管法ではどんな管理や検査が義務づけられているか
について、わかりやすく説明していきます。
この記事を最後まで読めば、あなたの管理するビルがビル管法の対象になるのか、対象になるならどんな管理や検査をしなければいけないのかがよく理解できるはずです。
あなたのビルが適切に管理されるために、この記事が役立てば幸いです。
目次
1. ビル管法とは?
ビル管理法は、正式名称を「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」といい、大勢の人が利用するビルの環境を衛生的に保つための法律です。
まずはこの法律の内容について、初心者にもわかりやすく説明していきましょう。
1-1. ビル管法の目的
ビル管法こと「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」の目的は、第一条にこう定められています。
第一条 この法律は、多数の者が使用し、又は利用する建築物の維持管理に関し環境衛生上必要な事項等を定めることにより、その建築物における衛生的な環境の確保を図り、もつて公衆衛生の向上及び増進に資することを目的とする。 |
特定の条件に該当するビルについて、衛生環境の基準を定め、利用者がビル内で衛生的・健康的に過ごせるよう管理することを義務づけています。
この管理の基準は、「建築物環境衛生管理基準」と呼ばれ、
1)空気環境の調整
2)給水及び排水の管理
3)清掃
4)ねずみ、昆虫等の防除
について定められています。
これについては次の章「ビル管法で定められた管理基準」でくわしく説明していますので、いますぐ知りたいという人はそちらを読んでみてください。
1-2. ビル管法の対象となる「特定建築物」とは
ビル管法は、どんなビルでも対象になるわけではありません。
「特定建築物」という基準に該当する建物にのみ適用されます。
「特定建築物」の定義は、以下の通りです。
特定建築物の定義 (1)建築基準法に定義された建築物であること。 (ただし、専ら学校教育法第1条に定められている学校(小学校、中学校等)については、8,000平方メートル以上であること。) |
わかりやすく言い換えると、
①建物のうち延べ床面積3,000㎡以上が、以下の用途で使われている建築物
◎興行場(映画館、劇場、コンサートホール、演芸場など)
◎百貨店(デパートの他に、ショッピングモール、大規模スーパーなども含みます)
◎集会場(公民館、市民ホール、多目的ホール、文化会館、結婚式場、葬祭場、貸し会議室など)
◎図書館
◎博物館、美術館
◎遊技場(ボーリング場、ビリヤード場、ゲームセンター、パチンコ店、観客席のないスケート場など)
◎店舗(小売店、飲食店、理美容院など)
◎事務所(一般的な事務所の他に、研究所、銀行なども含みます)
◎旅館(旅館、ホテルなど)
②延べ床面積が8,000㎡以上ある、以下の「学校」に当てはまる建築物
◎幼稚園
◎小学校
◎中学校
◎義務教育学校
◎高等学校
◎中等教育学校
◎特別支援学校
◎大学
◎高等専門学校
◎盲学校・ろう学校・養護学校
◎研修所
が該当します。
逆に以下の建物は、床面積に関わらず特定建築物に該当しません。
【特定建築物ではないもの】
▼マンション
▼病院
▼老人ホーム
▼工場
▼作業場
▼寄宿舎(宿泊施設ではあるが該当しません)
▼寺社仏閣・教会
さらに、特定建築物に該当する場合としない場合がある建物というのもあります。
【条件により特定建築物になり得るもの】
◇体育館・スポーツ施設:通常は該当しませんが、コンサートなど興行場として使われている体育館は該当する可能性があります。
◇フィットネスクラブ:通常は該当しませんが、娯楽性がとても強く遊技場と同じだと判断される場合は該当する可能性があります。
◇駅:通常は該当しませんが、駅舎内にある店舗や事務所など、上記の①②に当てはまる用途で利用されている面積の合計が3,000㎡以上になれば、特定建築物に該当する可能性があります。
◇地下街:駅と同様です。
◇駐車場:単体では該当しませんが、百貨店や事務所など、上記の①②に当てはまる建物に付随している駐車場は、その建物に含めて考えるので、建物とともに特定建築物に含まれる可能性があります。
◇倉庫:駐車場と同様です。
◇研究所:自然科学系の研究所は該当しませんが、人文・社会学系の研究所(教育研究所、経済研究所など)は「事務所」扱いとされるため、面積の合計が3,000㎡以上であれば特定建築物に該当する可能性があります。
ちなみに、延べ床面積の計算法は以下の通りです。
<延べ床面積の計算方法> ひとつの建築物を、4つに区分して計算します。 A)前述の①②に該当する特定用途のためだけに利用されている部分(店舗、事務所の専用部分など) A〜Dそれぞれの床面積の合計を出し、
|
最近は、さまざまな施設や店舗が入った複合施設も増えて、判断も複雑になってきています。
該当する・しないは慎重に見極めましょう。
1-3. ビル管法で必要な届出・資格
ビル管法の特定建築物に該当する建物の場合、建物の所有者または建物全部の管理権原を持っている人には、「しなければいけないこと」がビル管法で定められています。
それは、
1)保健所への届出
2)「建築物環境衛生管理技術者」(ビル管理士)の資格を持った「建築物環境衛生管理技術者」(ビル管理者)をひとり選任
3)「建築物環境衛生管理基準」に従った建物の維持管理
です。
3)については次の章「2 ビル管法で定められた管理基準」でくわしく説明していますので、いますぐ知りたいという人はそちらを読んでみてください
この項では1)と2)について説明していきます。
保健所への届出
特定建築物の届出について、ビル管法では以下のように定めています。
第五条 特定建築物の所有者(所有者以外に当該特定建築物の全部の管理について権原を有する者があるときは、当該権原を有する者)(以下「特定建築物所有者等」という。)は、当該特定建築物が使用されるに至つたときは、その日から一箇月以内に、厚生労働省令の定めるところにより、当該特定建築物の所在場所、用途、延べ面積及び構造設備の概要、建築物環境衛生管理技術者の氏名その他厚生労働省令で定める事項を都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下この章並びに第十三条第二項及び第三項において同じ。)に届け出なければならない。 2 前項の規定は、現に使用されている建築物が、第二条第一項の政令を改正する政令の施行に伴い、又は用途の変更、増築による延べ面積の増加等により、新たに特定建築物に該当することとなつた場合について準用する。(後略) |
わかりやすく言いかえると、
◎誰が?:特定建築物の所有者、または建物全部を管理する権原を持っている人が、
◎いつ?:その建物の使用開始日から1ヶ月以内、またはその建物が用途の変更や増改築などによって新たに特定建築物になった日から1ヶ月以内に、
◎どこに?:その建物の所在地を管轄する保健所を通して、各都道府県知事宛に、
◎何を?:以下の内容を届け出る義務があります。
【特定建築物の届出事項】 1)特定建築物の名称 |
ちなみに、すでに特定建築物として届出をしていた建物が、用途の変更や増改築での面積変更などによって特定建築物に該当しなくなった場合も、その変更日から1ヶ月以内に同じく保健所に届出をする必要があります。
「建築物環境衛生管理技術者」(ビル管理者)の選任
上記の届出をする際には、「建築物環境衛生管理技術者免状」を持っている人をひとり、ビルの管理者として選任して、その氏名などを一緒に届け出なければなりません。
「建築物環境衛生管理技術者免状」という資格は通称「ビル管理士」「ビル管理技術者」とも呼ばれ、厚生労働省が管轄する国家資格です。
これを持っている人ならば、誰でもそのビルの「建築物環境衛生管理技術者」(=ビル管理者)になることができ、どんなに大きなビルであっても、選任するのはひとりだけで大丈夫です。
また、ビル管理者はそのビルに常駐している必要もありません。
ただし、同じ人が複数のビルでビル管理者になることは、原則的には認められないので注意してください。
ちなみにこの資格を取得するには、国家試験と講習会というふたつの方法があります。
資格取得についての詳細は、厚生労働省が指定した実施機関である「公益財団法人日本建築衛生管理教育センター」の公式ホームページ を参照してください。
それぞれに受験資格も異なりますので、これから取得する人は自分に合っている方法を選びましょう。
2. ビル管法で定められた管理基準(建築物環境衛生管理基準)
特定建築物に該当するビルは、ビル管法で定められた基準を守って管理しなければなりません。
この基準は、正式には「建築物環境衛生管理基準」と呼ばれ、
1)空気環境の調整
2)給水及び排水の管理
3)清掃
4)ねずみ、昆虫等の防除
について定められています。
それぞれに、守らねばならない基準値や、実施しなければいけない検査や点検などの頻度などが細かく指定されているので、それに従って管理を実施する必要があるのです。
この管理義務を負うのは、「『特定建築物』の所有者、占有者その他の者で特定建築物の維持管理の権原を有する者」=「特定建築物維持管理権原者」であるとも定められています。
つまり、
- ビルの所有者
- ビルの占有者=ビルを借りて使用している人や企業
- ビルの管理を任されている人
のいずれかが、検査や点検、清掃などの管理全般を行う義務があるわけです。
実際の検査や清掃などは、ほとんどの場合専門の業者に依頼して行われているようです。
ビル管法では、管理業務を行う業者を、「建築物における衛生的環境の確保に関する事業」(建築物事業)として都道府県ごとに登録できるようになっています。
依頼する場合は、これらの登録業者から選ぶのもよいでしょう。
登録業者は、各都道府県のホームページなどで公開されています。
例えば東京都の場合、以下のページで業者一覧が見られますので、参考にしてみてください。
東京都健康安全研究センター 建築物事業登録営業所の一覧
それではここから、前述した4つの管理基準それぞれについて、どんな基準なのか、どんな検査や点検などをしなければいけないのかなどを、くわしく説明していきましょう。
2-1. 空気環境の調整
まず、空調設備があるビルでは、ビル管理者はビル内の空気を管理する義務があります。
- 管理内容:厚生労働省が定めた以下の空気環境測定を行い、基準に適合する空気環境を保つ
もし測定値が基準に適合しなかった場合は、空調設備を改善するなどして基準を守る - 管理方法:空気環境測定は、専門業者に依頼するのがよいでしょう。
業者は各都道府県で「建築物における衛生的環境の確保に関する事業」(建築物事業)の登録を受けたものを、各都道府県のホームページなどで検索できます。
基準は以下の通りです。
項目 |
基準 |
回数など |
|
---|---|---|---|
空気環境測定 |
浮遊粉じんの量 |
空気1㎥につき0.15mg以下 |
・2ヶ月以内ごとに1回、各階で測定 ・ホルムアルデヒドについては、建物の建築屋大規模修理などを行ってから、使用開始日以降の最初の6月〜9月の間に1回、各階で測定し、その後は2ヶ月以内ごとに1回 |
一酸化炭素の含有率 |
10 ppm以下 ※特例として外気がすでに10ppm以上ある場合には20ppm以下 |
||
二酸化炭素の含有率 |
1000 ppm以下 |
||
温度 |
17℃以上28℃以下 |
||
相対湿度 |
40%以上70%以下 |
||
気流 |
0.5 m/秒以下 |
||
ホルムアルデヒドの量 |
空気1㎥につき0.1mg以下 (=0.08 ppm以下) |
ただし、機械換気設備があるビルの場合は、温度と相対湿度の基準は適用されないので、測定しなくても大丈夫です。
また、空調設備に衛生上で必要なものとして、冷却塔と加湿装置の管理も定められています。
項目 |
回数 |
---|---|
冷却塔・加湿装置・空調排水受けの点検等 |
使用開始時及び使用期間中1ヶ月以内ごとに1回 |
冷却塔・冷却水管・加湿装置の清掃 |
1年以内ごとに1回 |
2-2. 給水及び排水の管理
次に、ビル内の水の管理も必要です。
- 管理内容:厚生労働省が定めた水質検査や清掃を行い、基準に適合する水質や環境を保つ
もし測定値が基準に適合しなかった場合は、給水設備を改善するなどして基準を守る
- 管理方法:水質検査や清掃は、専門業者に依頼するのがよいでしょう。
業者は各都道府県で「建築物における衛生的環境の確保に関する事業」(建築物事業)の登録を受けたものを、各都道府県のホームページなどで検索できます。
ビルの「水」は、
1)飲料水
2)雑用水(水道水以外の水を、散水、修景、清掃、水洗便所の用に供するもの)
3)排水
の3つに分類され、それぞれに基準が設けられています。
水質検査は、専門業者に水を送るだけで受けられますので簡単です。
これについては、「水質検査とは?ビル管法における水質検査の必要性と進め方を徹底解説」で詳しく解説していますので、そちらも参照してください。
飲料水の管理
飲料水は、以下の基準で管理します。
項目 |
基準 |
回数 |
||
---|---|---|---|---|
飲料水の管理 |
残留塩素の測定 |
0.1mg/L以上 |
7日以内ごとに1回 |
|
貯水(湯)槽の清掃 |
1年以内ごとに1回(定期) |
|||
水質検査 |
一般細菌 |
100個/ml以下 |
6ヶ月以内ごとに1回 |
|
大腸菌 |
検出されないこと |
|||
鉛及びその化合物※ |
0.01mg/L以下 |
|||
亜硝酸態窒素 |
0.04mg/L以下 |
|||
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 |
10mg/L以下 |
|||
亜鉛及びその化合物※ |
1.0mg/L以下 |
|||
鉄及びその化合物※ |
0.3mg/L以下 |
|||
銅及びその化合物※ |
1.0mg/L以下 |
|||
塩化物イオン |
200mg/L以下 |
|||
蒸発残留物※ |
500mg/L以下 |
|||
有機物(全有機炭素(TOC)の量) |
3mg/L以下 |
|||
pH値 |
5.8以上8.6以下 |
|||
味 |
異常でないこと |
|||
臭気 |
異常でないこと |
|||
色度 |
5度以下 |
|||
濁度 |
2度以下 |
|||
シアン化物イオン及び塩化シアン |
0.01mg/L以下 |
1年以内ごとに1回 (6月1日~9月30日) |
||
塩素酸 |
0.6mg/L以下 |
|||
クロロ酢酸 |
0.02mg/L以下 |
|||
クロロホルム |
0.06mg/L以下 |
|||
ジクロロ酢酸 |
0.03mg/L以下 |
|||
ジブロモクロロメタン |
0.1mg/L以下 |
|||
臭素酸 |
0.01mg/L以下 |
|||
総トリハロメタン |
0.1mg/L以下 |
|||
トリクロロ酢酸 |
0.03mg/L以下 |
|||
ブロモジクロロメタン |
0.03mg/L以下 |
|||
ブロモホルム |
0.09mg/L以下 |
|||
ホルムアルデヒド |
0.08mg/L以下 |
|||
<水道・専用水道以外の地下水などを使用する場合は以下の検査も追加> |
||||
四塩化炭素 |
0.002mg/L以下 |
3年以内ごとに1回 |
||
シス-1,2-ジクロロエチレン及び トランス-1,2-ジクロロエチレン |
0.04mg/L以下 |
|||
ジクロロメタン |
0.02mg/L以下 |
|||
テトラクロロエチレン |
0.01mg/L以下 |
|||
トリクロロエチレン |
0.01mg/L以下 |
|||
ベンゼン |
0.01mg/L以下 |
|||
フェノール類 |
フェノールの量に換算して、0.005mg/L以下 |
また、以下のようにも定められています。
<水道・専用水道からの水の場合>
◎給水栓における水の色、濁り、におい、味その他の状態より供給する水に以上を認めたとき
→必要な項目について検査
◎※の項目は、水質検査の結果、水質基準に適合していた場合は、その次の回の水質検査時に省略可能
<地下水などを使用する場合>
◎給水開始前→水道水質基準に関する省令の全項目(51項目 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/kijunchi.html)
◎給水栓における水の色、濁り、におい、味その他の状態より供給する水に以上を認めたとき
→必要な項目について検査
◎周辺の井戸等における水質の変化その他の事情から判断して、水質基準に適合しないおそれがあるとき
→必要な項目について検査
◎※の項目は、水質検査の結果、水質基準に適合していた場合は、その次の回の水質検査時に省略可能
雑用水の管理
雑用水とは、「建築物内の発生した排水の再生水の他、雨水、下水処理水、工業用水等を、便所の洗浄水、水景用水、栽培用水、清掃用水等として用いる水」のことです。
この用途で、雨水や下水処理水などを使用する場合には、以下の基準で管理しなければなりません。
ただし、この用途でも水道水を利用する場合は、除外されます。
項目 |
基準 |
回数 |
||
---|---|---|---|---|
雑用水の管理 |
残留塩素の測定 |
0.1mg/L以上 |
7日以内ごとに1回 |
|
雑用水槽の点検・清掃 |
随時 |
|||
散水、修景、清掃用水の水質検査 ※し尿を含む水を原水として使用しないこと。 |
pH値 |
5.8以上8.6以下 |
7日以内ごとに1回 |
|
臭気 |
異常でないこと |
|||
外観 |
ほとんど無色透明であること |
|||
大腸菌 |
検出されないこと |
2ヶ月以内ごとに1回 |
||
濁度 |
2度以下 |
|||
水洗便所用水の水質検査 |
pH値 |
5.8以上8.6以下 |
7日以内ごとに1回 |
|
臭気 |
異常でないこと |
|||
外観 |
ほとんど無色透明であること |
|||
大腸菌 |
検出されないこと |
2ヶ月以内ごとに1回 |
◎水洗便所用水への供給水が、手洗いやウォシュレット等に併用される場合は、飲料水としての適用を受けることとなります。
排水の管理
排水に関しては、汚水槽など排水設備の清掃が義務づけられています。
項目 |
回数 |
---|---|
排水設備の清掃 |
6ヶ月以内ごとに1回 |
2-3. 清掃
ビル内の清掃についても、以下のように定められています。
項目 |
回数 |
---|---|
掃除 |
日常的に行う |
大掃除 |
6ヶ月以内ごとに1回、定期的・統一的に行う |
大掃除は、清掃業者に依頼するケースが多いようです。
また、廃棄物の処理についても、具体的な基準などはありませんが、適切に行わなければならないとされています。
2-4. ねずみ、昆虫等の防除
ビルにはねずみなど、人の健康を損なうおそれがある害獣・害虫が出ることがよくあります。
そのためビル管法には、それらを駆除したり、発生を予防したりすることについても定められています。
- 管理内容:ねずみ、ゴキブリ、ハエ、蚊、ノミ、シラミ、ダニなど、病原微生物を媒介する生き物全般について、定期的に発生場所などを調査し、予防と駆除を行う
- 管理方法:専門の駆除業者に依頼するのがよいでしょう。
業者は各都道府県で「建築物における衛生的環境の確保に関する事業」(建築物事業)の登録を受けたものを、各都道府県のホームページなどで検索できます。
厚生労働省が定めた基準は以下です。
項目 |
回数 |
---|---|
ねずみなどの発生場所、生息場所、侵入経路、被害状況の調査 |
6ヶ月以内ごとに1回 |
調査結果にもとづいた必要な措置 |
その都度実施 |
また、ねずみなどを防除(予防・駆除)するために殺鼠剤や殺虫剤を使用する場合は、薬事法の規定による承認を受けた医薬品・医薬部外品を用いなければなりません。
まとめ
いかがでしたか?
ビル管法の内容や、しなければいけないことについて、よく理解していただけたかと思います。
では最後にもう一度、記事の内容を振り返ってみましょう。
ビル管法の対象となる「特定建築物」とは、
- 延べ面積3,000㎡以上の興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校(研修所を含む。)、旅館
- 延べ面積8,000㎡以上の学校
ビル管法で義務づけられているのは、
- 空気環境の調整
- 給水及び排水の管理
- 清掃
- ねずみ、昆虫等の防除
以上を踏まえた上で、あなたがビル管法にしたがって適切な管理ができることを願っています。
コメント