特定建築物定期調査とは、建築基準法に基づく定期報告制度の1つです。特定建築物」を対象にした、不特定多数の人たちの安全を守ることを目的とした調査のことを指します。
特定建築物とは、簡単に言うと「一般的な住宅を除いた、大勢の人が利用する施設」のことです。学校や体育館、病院、劇場などのことを指します。

これらに該当する場合は、必ず特定建築物定期調査を行わなければいけません。なぜなら、建築基準法によって報告の義務が定められているからです。例えば東京都の場合、3年に1回は報告することが義務付けられています。(行政によって異なります)

特定建築物定期調査の内容は下記の5つです。

  • 敷地及び地盤
  • 建物外部
  • 屋上及び屋根
  • 建物の内部
  • 避難施設・非常用進入口

つまり、簡単に言うと「建物全体の調査」ということになります。

この記事では、特定建築物定期調査の全ての知識をまとめました。
私たち東和総合サービスに届くよくある質問を中心に、特定建築物定期調査について悩まれているビルオーナーやビル管理者に向けて、役に立つ情報をまとめています。

もしかしたら情報量が多くて複雑に感じることもあるかもしれません。一気に全てを理解するのは難しいでしょうから、参考書のように困った時に読み返すなど、気楽に扱っていただけますと幸いです。

 

 

定期報告は
所有者・管理者の義務です

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弊社では一級建築士・二級建築士・特定建築物検査資格者の専門家集団を自社スタッフとして育成し建築設備定期検査サービスを提供しております。 年間300棟の検査実績を持つ東和総合サービスへお気軽にお問い合わせください。

※令和3年度は大阪・東京で「共同住宅
(マンション)の定期報告の年です。

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1.特定建築物定期調査とは

1-1.特定建築物定期調査は建築基準法により定められている法的調査

特定建築物定期調査とは建築基準法により定められている法的調査です。
わかりやすく噛み砕いて言うと、「住宅を除いた不特定多数の人々が利用する施設」は特定建築物の対象になります。そして、そんな特定建築物を対象とした調査のことを、特定建築物定期調査と呼びます。

特定建築物定期調査は定められた期間(1年に1回、2年、あるいは3年に1回)に行う必要があります。また、必ず有資格者によって調査を行わなければいけません。

そして、もし実施を怠った場合は、罰則が科せられることもあります。建物を管理しているオーナーや管理者は、このルールの中で適切に調査と報告を行わなければいけないのです。

1-2.建築基準法の改正に伴って名称と対象となる建築物の範囲が変更

もともと「特定建築物」は「特殊建築物」と呼ばれていました。

特殊建築物とは、建築基準法2条1項二号に規定される学校や体育館、病院などの建築物のことを指します。

ですが、2016年6月の建築基準法の改正によって対象となる建築物の範囲が拡大したのです。

1-3.そもそも定期報告制度とは

定期報告とは、建築基準法第12条で定められた、ビルの安全点検・報告制度のことです。

平成24年、25年に建物の管理が不十分だったことが原因で火災事故が続いたことをきっかけに、建築基準法が改正され、平成28年6月1日から特殊建築物の新たな定期報告制度が施行された背景があります。

もしあなたがビル管理者なのであれば定期報告制度を詳しく理解しておくべきでしょう。定期報告制度について(「特定建築物」「建築設備」「防火設備」「昇降機等」の調査)は「建物の安全を点検する「定期報告」制度:その点検内容と報告方法とは」で解説しているのでご確認ください。


2.特定建築物定期調査で行う5つの調査

特定建築物定期調査の具体的な調査の内容は次の5項目です。

  • 敷地及び地盤の調査
  • 建物外部の調査
  • 屋上及び屋根の調査
  • 建物の内部などの調査
  • 避難施設・非常用進入口などの調査

それぞれどのような調査なのか、解説していきます。

2-1.敷地及び地盤の調査

1つ目は、敷地や地盤の安全性を確認するための調査です。

例えば、地盤の沈下や通路幅員、塀、擁壁などの敷地や地盤に関する調査です。敷地や地盤がでこぼこしていたり、傾斜があると著しく安全性が損なわるため、建物の安全性を確保するための大切な調査です。

また、排水処理に関する調査も行われます。詰まりなどで敷地内の排水が正しく行われないと衛生上問題があるからです。

敷地及び地盤の調査内容

1.建物周辺に陥没が見られ安全性が著しく損ねているかどうか地盤沈下等による不陸や傾斜などの状況を調査します。
2.排水管が詰り汚水があふれ悪臭を発しており衛生上問題があるかどうかを調査します。
3.道路までの避難通路が確保されているかどうか、避難通路上に障害物がないかどうかを調査します。4.ブロック塀やコンクリート塀の構造にひび割れや傾斜が生じているかどうか。
5.擁壁などに著しい傾斜やひび割れが確認できるかどうかを調査します。
6.屋外機器本体(配電塔や電力等引込柱、外灯等)に著しい錆や腐食が発生しているかどうかを調査します。

2-2.建物外部の調査

2つ目は、外壁を中心とした調査です。

例えば、タイルや石張り、モルタルなど、外装仕上げを行う建物が大部分を占めています。その他、サッシや窓、看板なども調査対象に含まれます。

また、外壁タイル等の落下事故を防ぐことも考慮しなければいけません。過去に落下事故が相次いだことをきっかけに、現在では築10年を超えた建物に関して「外壁全面打診調査」を行われなければいけません。外壁のひび割れや浮きなどの状況を調査していきます。

建物外部の調査内容

1.基礎が地盤沈下に伴うひび割れがみられるかどうかを調査します。
2.地盤沈下により土台(木造に限る)が劣化し安全上支障があるかどうかを調査します。
3.外壁(躯体等)の目地モルタルの著しい欠落やブロック積みに変位があること。鋼材に著しい錆や腐食等があるかどうかを調査します。
4.外壁タイル等に著しいひび割れ浮き等があること又は剥落があるかどうかを調査します。
5.窓サッシサッシ等の腐食や緩みにより変形しているかどうかを調査します。

2-3.屋上及び屋根の調査

3つ目は、屋上や屋根の調査です。

例えば、著しいひび割れ、反り返り、サビ、腐食、伸縮目地材などの状況を調査します。雨漏りに繋がるなど、屋内への影響が出る可能性がありますから、屋上や屋根の調査も非常に大切です。

排水溝やドレーンの詰まりの調査なども行います。

屋上及び屋根の調査内容

1.屋上にひび割れや反りあがりが見られ歩行上危険であったり、伸縮目地材が欠落し部分的に植物が繁茂していないか調査します。
2.屋上回りに著しいひび割れが見られたり剥落していないかどうか調査します。
3.屋根ふき材に割れや緊結金物に錆など著しい腐食が見られるかどうか。
4.高架水槽等の機器本体に著しく錆が発生していないか、接合部に錆が発生しておりぐらつきがないかを調査します。

2-4.建物の内部などの調査

4つ目は、建物の内部の調査です。

防火区画の壁や、開口部の戸、天井の状況を調査します。これらは、耐火性能の劣化を防ぐことを目的として行います。防火設備(防火扉、防火シャッターなど)や、石綿(アスベスト)に関する調査も含まれます。

建物の内部などの調査内容

1.内壁躯体に割れやズレ、著しい錆や腐食があるかどうかを調査します。
2.床躯体に割れやズレ、著しい錆や腐食があるかどうかを調査します。
3.天井の部材・仕上材に浮き等の劣化・損傷又は剥落があるかどうかを調査します。
4.照明器具等に著しい錆・腐食やゆるみや変形等があり地震などで落下しなかどうかを調査します。
5.居室内で採光の妨げとなる物品等が放置されているかどうかを調査します。
6.換気設備が作動しているかどうかを調査します。

2-5.避難施設・非常用進入口などの調査

5つ目は、避難施設に関する調査です。

廊下・出入り口・バルコニーなどの調査です。火災等の場合に避難の障害につながることを防ぐために行います。防煙区画や排煙設備、非常用照明器具などの調査も含まれます。

避難施設・非常用進入口などの調査内容

1.避難の支障となる物品の放置状況により避難経路の幅員が確保されているか、扉の開閉に支障があるか調査します。
2.手すり本体に著しい錆や腐食が発生してないか、避難バルコニーの足元が腐食しグラついていないか調査します。
3.階段の通行に支障となる障害物が置かれていないか、可燃物が集積されて放置されていないか調査します。
4.排煙設備が正常に作動するか、防煙垂れ壁に亀裂・破損又は変形等がないか調査します。


3.特定建築物定期調査に必要な資格

調査は無資格ではできない

調査は無資格ではできません。

特定建築物定期調査は資格を有する検査員が調査を行い、特定行政庁に定期報告を行う必要があります。

1級建築士、2級建築士、特定建築物調査員のいずれかが必要

調査を行うために必要な資格は以下の3つです。

  • 1級建築士
  • 2級建築士
  • 特定建築物調査員(旧称:特殊建築物等調査資格者)

なお、建築士は都道府県の建築士事務所登録が必要です。


4.特定建築物定期調査の通知が届いた後に行うべき3つのこと

検査時期が来ると、特定行政庁から建物の所有者又は管理者あてに調査を行うよう調査通知書が届きます。「通知が届いたものの何から始めて良いかわからない」という方に向けて、あなたが行うべき3つのことを解説していきます。

特定建築物定期調査の全体像は下記の通りです。

このうち、あなたが行うべきなのは緑色の箇所のみです。1つ1つ見ていきましょう。

※特定行政庁の手続き上、通知が届かない場合もありますが、これは調査を行わなくてもいいということではありません。まずは、あなたが管理している建物が対象になるかどうか確認しましょう。

1つ目:検査会社を探す

まずは、検査会社を探すことから始めましょう。前述したとおり、有資格者が検査を行う必要があるためです。

ただし、様々な検査会社があるため、どの会社を選べば良いかわからないことと思います。私たち東和総合サービスの20年以上の経験をもとに、後悔しない調査会社を選ぶための3つのポイントを説明していきます。

検査会社を選ぶポイント①:年間200件以上の豊富な経験と実績がある会社を選ぶ

調査会社の重要な選び方の1つとして過去の実績が挙げられます。実績が多いということは培ってきたノウハウも豊富と判断できるため比較的安心して任せることができるでしょう。

どのような建物でもしっかり対応するには少なくとも年間200物件以上の経験のある調査会社を選ぶことが調査をスムーズにトラブルなく行うための目安です。

年間200件以上の経験の豊富な会社ならひとまず安心です。多くの調査を実施しているということはリピーターのお客様も多いと思われますので信頼されている証でもあります。

検査会社を選ぶポイント②:社歴10年以上と従業員数20名以上の信用のある会社を選ぶ

ホームページやチラシ等だけ見ても信用のある会社か責任を持って調査を最後まで行ってくれる会社かなかなか判断がつかないものです。

よく当社にもお客様から「今まで小さな会社に調査を任せていたが急に連絡が取れなくなって困っている」と相談があります。毎年継続して調査を依頼したい、電話をかけても連絡が取れにくくて困る・・・このようなことで困らないためには創業して年数が少ない会社や少人数の会社よりは、なるべく創業歴の長い老舗会社のほうが安心です。

もちろん、創業歴の浅い会社でもきちんと調査をしてくれるところはありますが、それを判断することはお客様にはできません。そうなると判断する材料は過去の実績や営業年数や従業員数などにならざるを得ません。

長く営業しているということはそれだけ頼りにされている、信頼できる証でもあります。少なくとも10年以上の社歴がある会社や20人以上の従業員がいる会社を選ぶことが重要です。

検査会社を選ぶポイント③:調査が終わった後に追加料金がない会社を選ぶ

安心して任せることができる会社は常に明瞭会計をします。

あとで追加費用が発生しない会社を選びましょう。調査が終わったあとで色々な追加費用が発生するような会社は任せるのには不安です。見積書は事前に必ず取りましょう。

その際に見積記載金額以外では追加費用はないか必ず確認しておきましょう。当社では見積作成時に「調査費、報告書作成費、提出代行費、センター手数料、エリア外交通費など」調査に必要な費用は全て見積書に記載して、あとで追加費用がないようにしておりお客様より安心してお任せいただいております。

見積書を取った時には見積金額以外の追加費用があとで必要か確認することが重要です。

2つ目:必要な書類を準備

調査会社を決定したら次に調査の準備を行います。

調査会社の調査者が検査を行ったり、報告書作成のためには建物の資料が必要となります。検査日の1週間前までに資料を調査会社までお送りいただきますとスムーズに検査を行うことができます。

●初回の調査に必要な資料

調査が初回の場合は一から報告書を作成しなければなりません。

報告書には所有者・管理者の情報の記入や確認済証・検査済証の交付年月日の記入などの情報が必要となります。

“初回に必要な書類”

  • ①確認済証
  • ②検査済証
  • ③建築平面図
  • ④設備図面
  • ⑤面積記載図

●2回目以降に必要な資料

2回目以降の場合は少なくとも一度調査を行い特定行政庁へ定期報告を行っているため受領済み報告書の保管があるはずです。新たな調査会社に依頼する場合はその報告書を資料として提供してください。

また設備の不具合があった場合、図面に記載する必要があるため平面図も併せてご提供ください。 

“2回目以降に必要な書類”

  • ①前回報告書
  • ②平面図

3つ目:報告書にハンコを押す

調査が終わると調査員が1週間程度で報告書を作成します。作成した報告書は1部郵送を行いますので所有者または管理者のハンコを押していただき、すみやかに調査会社あてに返送して下さい。   

特定行政庁には検査日より1ヵ月以内に提出する必要があります。また検査日より3ヶ月を過ぎると作成した報告書は無効となってしまいますのでご注意ください。(調査日より3ケ月を経過してしまいますと再調査を行わなければなりません)

押印済みの報告書が調査会社に到着すると調査員は特定行政庁へ報告書を提出に行きます。提出後、およそ2ケ月程度で受付済みの報告書(副本)が特定行政庁から調査会社に返送されます。

参考:報告書の様式
財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターのダウンロードページから報告書等の確認ができます。


5.特定建築物定期調査の費用の目安

特定建築物定期調査業務の調査会社として、建設会社、設計会社、管理会社などがありますが調査費用は相場がないため調査会社の考え方により大きく変動します。

<調査費用の傾向>
1.建設会社や設計会社は建築士によって検査が行われることが多く費用は高めです。
2.管理会社は特定建築物調査員によって調査するケースが多く、費用は安めです。

※見積書の内訳も会社により違いがありますので追加費用が発生するかご注意ください。費用の目安として下記に当社の価格表を掲載していますので調査会社を決めるための参考にしてください。
※調査会社に提出代行まで全てを任せたいとお考えの場合は見積書に調査費、報告書作成費、提出代行費、センター手数料まで含まれているか確認して下さい。

東和総合サービスが行う特定建築物定期調査の価格表

特定建築物定期調査 価格表
延床面積 共同住宅(マンション) 左記以外
~1,000㎡ 45,000円 40,000円
~2,000㎡ 45,000円 50,000円
~3,000㎡ 52,000円 60,000円
3,000㎡超 別途見積もり 別途見積もり

特定建築物定期調査の見積もり事例

たとえば、東京都に建つ2,500㎡の共同住宅で調査は2回目の見積事例は以下の通りです

<見積事例>

1 基本料(調査費、報告書作成費) 52,000円
2 申請代行費           10,000円
3 消費税相当額           4,960円
4 申請手数料(実費・税込)     5,650円
  合計見積額(消費税含む)    72,610円

★上記費用は総額となり追加費用は発生しません

★当社の費用構成は以下の通りです。
1. 基本料・・・・・・ 調査から報告書作成の費用まで含みます。
2. 申請代行費・・・・ センターや役所への提出代行費です。
3. エリア外交通費・・・東京都23区や大阪市以外で発生します。
4. センター手数料・・・センターでの受付手数料です。(受付センターがある場合発生します。センターがない役所は直接役所へ提出しますので手数料は不要です)
5. 初回報告書作成費・・初めて調査を行う場合は図面などの書類から報告書を作成しなければなりません(初回のみ別途作成費用が必要です。2回目からは不要です)


6.特定建築物定期調査に関するよくある3つの質問

お客様より防火設備定期検査についてよく相談を受けることがあります。その中でも特に多い3つの質問を抜粋してまとめてみました。それでは順に説明してまいります。

6-1.調査には罰則があるか?

法的調査であり、行う義務がありますがお金もかかるため、可能であれば調査を行いたくない方もおられるようです。

そのため調査を行わなくてもいいか、行わないときはぺナルテイ(罰則)があるか?という質問がよくあります。この質問には罰則はあります。と回答しています。

「罰則」規定の根拠・・・建築基準法 に罰則規定が記載されています

第101条 「次の各号のいずれかに該当する者は、100万円以下の罰金に処する」二項 第12条第1項又は第3項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者  引用:建築基準法

役所から届く検査通知を無視し提出期限までに報告を行わない場合には「督促状」が送付されます。しかしながら現実には、定期報告を行わなかった、あるいは虚位の報告を行ったために罰金の処分が行われたというケースは把握されていません。

近年、建物の事故が増加しているため、役所は特定建築物定期調査の実施のチェックを厳しくしています。罰則規定があるなしに関わらず、建物の所有者として建物利用者の安全を守るために調査を行い建物を適正な状態にして、安全を維持することは義務であり長い目で見れば所有者の利益につながると考えています。

法律に違反し調査を行わない場合には、万が一建物で事故が起きた場合に責任問題も起き行政処分の罰金だけでは済まされません。そのようなことが起きないようにする為にも、この制度を有効に活用してほしいと考えています。

6-2.調査はいつ行えばいいか?

新築の建物の場合

東京都の場合は新築・改築後は初回の調査が免除となります

調査は、役所や用途等により調査回数(年1回、2年に1回、3年に1回)が決められています。役所により2年に1回以上行うこととなっている場合は調査年月が決められているケースがあります。新築された場合で検査済証の交付を受けている場合は、直近の調査年は除外でき2回目の調査年月までに1回提出してください。

昨年調査を行った場合

前回調査を行った場合は次回の調査年月を経過するまでに1回提出してください東京都や大阪府のように提出年月が決まっている役所もあります

新築後何年も調査を行ったことがない場合

通知がこない等何らかの理由で何年も特定建築物定期調査報告を行っていない場合は建物利用者の安全を守るためにもすぐに1度調査を行い報告書の提出を行って下さい。「罰則」に該当しますが実際には処分は行われていません。調査を行わず放置していた結果、万一火災等の事故や災害が起きた時は所有者責任が問われます。

調査を行うタイミング

調査は役所や用途等により調査回数(年1回、2年に1回、3年に1回)が決められています。
例えば3年に1回の場合東京都では平成28年度分として平成2851日~10月までに提出することとなっていますがその期限までに提出を忘れた場合でも平成314月末日までに提出すると平成28年分としての受付となります。
平成3151日以降に提出した場合は平成31年度分としての受付となります。

6-3.検査対象の建物とは?

調査は、多くの人が利用するホテルや学校などの建物や延べ床面積100㎡以上の一定以上の規模の建物が調査の対象になります。

建物の用途や、規模(大きさ、階数等)により調査を行なうかどうかの基準が分類されています。また調査対象の建物であっても用途により検査回数(頻度)分類されています。

多くの人が利用する建物とは、劇場、ホテル、百貨店、病院、学校、飲食店、マンション(共同住宅)、事務所等で調査を行わなければなりません。実際には用途だけでなく規模や階数等で条件が細かく分かれています。調査対象の建物になるかどうかは都道府県により細かく分類されています。ここでは「東京都の調査対象の分類一覧」と「大阪府の調査対象の分類一覧」を参考に確認してみてください。    

また、建物の管轄は、都道府県ですが、市で管轄している場合があります。管轄の役所ごとに調査対象物の条件が定められています(一例、神奈川県や兵庫県の一部では市が管轄になります)。報告書の提出先は役所、あるいはセンターになります。提出先も役所により変わります。詳細は建物の所在地の各都道府県ホームページを参照ください。 


7.特定建築物定期調査に関する各エリアのページ一覧

特定建築物定期調査について複雑に感じるのは、エリアによって情報が異なるからかと思います。全国のエリアごとに情報をまとめたので、お困りの方はこちらをご参考ください。

※クリックしていただくと、それぞれのページに飛びます。

関東エリア

関西エリア

北海道・東北エリア

中部エリア

中国・四国エリア

九州エリア


まとめ

特定建築物定期調査をまとめると以下の通りです。

  • 建築基準法第12条で行う法的検査で毎年1回~3年に1回実施することとなっています。
  • 調査は特定建築物調査員等の有資格者が行う必要があります。
  • 調査対象は敷地及び地盤、建築物外部、屋上及び屋根、建築物の内部、避難施設の大きく分けて5つの項目があります。
  • 調査を実施しない場合は「督促」や「100万円以下の罰金」の罰則があります。
  • 万一、調査を行わず建物で事故が起きた場合は所有者・管理者責任を問われます。
  • 安心して調査を行うためにも良心的な調査会社を選んでください。

さいごに、特定建築物定期調査は建物利用者の安全を守る大切な調査です。人々が安心して過ごせる建物であるためにも定期的に行ってください。


参考資料

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  • 消防設備点検(防火対象物点検)
  • 建築設備定期検査・特定建築物定期調査・防火設備定期検査
  • 巡回設備点検
  • 常駐設備員
  • 24時間の設備緊急対応
  • その他設備点検全般

設備管理業務は設備トラブルが起きないよう維持管理することが大切で、建物を利用する人々の安全を守る重要な業務です。ビル管理業界の草創期に創業し半世紀の間蓄積したノウハウでお客様のお悩みを解決できるよう全力で取り組んでまいります。

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