非常用照明とは?

突然聞かれ、答えることができますか?

非常用照明とは、停電時、避難経路を明るく照らし私達が安全に避難できるように設置された「安全のあかり」です。

一般的な建物の場合、延べ面積1000㎡以上、又は、3階立て以上で延べ面積500㎡を超える建物などに設置されています。

そしてその非常用照明は、【蓄電池】【器具】【光源(ランプ)】【点灯形態】と大きく4つに分けることができます。

ここではその4つを、それぞれ詳しく解説しています。

仕組みを深くしることで、今後お客様へご提案する際、非常用照明の重要性をより具体的に伝えることができると思います。是非ご参考にしてみてください。


.非常用照明とは

停電したとき安全に避難するため室内や避難経路を明るく照らす照明のことです。

地震、火災その他の災害や事故などで停電が起きると、*多くの人が集まる場所ではパニックになり、避難方向や周囲の状況を把握できず避難することが困難になります。

そのような場合でも、居合わせた人が速やかにかつ安全に避難できるように一定の明るさを保つ照明が、非常用照明です。

*多くの人が集まる場所:マーケット・病院・劇場・ホテルなど。


.非常用照明の種類

非常用照明は、【蓄電池】【器具】【光源(ランプ)】【点灯形態】大きく4つに分けることができます。

また、それぞれに種類があり、コストや設置場所により組み合わされ、新しく建てる物件に関してはゼネコンの設備担当者、もしくは設備設計者等により採用され、既に設置されている建物は*交換時期がきたら、器具や蓄電池の型番を確認し、交換することになります。

*交換時期については目次3で詳しく説明しています。

1蓄電池の種類

非常用照明は、器具本体に内蔵する蓄電池で点灯する【電池内蔵型】と器具外の非常用電源で点灯する【電源別置型】二つの種類に大きく分けられ、採用する施設の規模で使い分けされています。

1電池内蔵型

器具内部に蓄電池が組み込まれている照明器具です。

火災などにより配線が切断されても、自動的に内蔵された蓄電地により点灯します。

小規模なビルで採用されています。

2電源別置型

蓄電池設備を別に用意する必要がある照明器具で、停電を検出すると、自動で予備電源に切り替わり点灯します。

中規模以上のビルになると、共用部(エントランス・廊下等)は電池内蔵型、テナント等が入る占有部は電源別置型が採用されることが多くなっています。

2器具の種類

器具の種類は【露出型】【下面開放型】【簡易密閉型】の3種類あります。

1露出型

天井に直接器具を設置するタイプです。

使用場所は選びませんが天井から直接照明器具が出ているので、器具自体の存在感があります。

非常用照明露出型

引用元:http://www2.panasonic.biz/es/lighting/shisetsu/ledhijoto/lineup/senyo/index.html

2下面開放型

天井に器具を埋込み、蛍光灯にカバーをしていないタイプです。

デザイン重視で外観を気にする、店舗、事務所に多く使用されています。

非常用照明下面開放型

引用元:http://www2.panasonic.biz/es/lighting/shisetsu/ledhijoto/lineup/id/index.html

3簡易密閉型

天井に直接器具を設置し、蛍光灯にカバーをしているタイプです。

デザインよりも耐久性重視で、倉庫等で使用されています。

非常用照明簡易密閉型

引用元:http://www.seiwa.co.jp/product/ie/hf_bkac.html?sc=ie_02

3光源(ランプ)の種類

光源(ランプ)の種類は【直管蛍光ランプ】【コンパクト蛍光ランプ】【LED】の大きく3つに分けられます。

1直管蛍光ランプ

直管蛍光ランプは、棒状の蛍光灯で、多く普及しているため安価で、また部屋全体に明るさが行き渡る為オフィスや工場、倉庫などで多く使用されています。

*定格寿命3000H12000Hです。

蛍光灯

引用元:http://www.tlt.co.jp/tlt/products/lamp/lamp_keikou_list/ichiran/ichiran.htm

2コンパクト蛍光ランプ

コンパクト蛍光ランプは、蛍光灯の管を曲げていて、形状が小さい蛍光灯です。ダウンライトのように、小型な器具に設置できるため白熱灯に代わり多く使用されています。

*定格寿命3000H10000Hです。

コンパクト蛍光灯

引用元:http://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/products/lighting/lineup/lamp/otherlamp/lineup_01.html

LED

LEDは、寿命が長く、省エネであることから、家庭の照明はもちろん、自動車の照明や交通機関などで幅広く使用されています。

*定格寿命は40000Hです。

LED

引用元:http://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/products/lighting/lineup/lamp/index.html

4ミニハロゲンランプ

基本的な仕組みは白熱電球と同じですが、非常用照明に広く採用されているのが、ミニハロゲンランプです。コンパクトサイズで、店舗や住宅のダウンライトや、自動車のヘッドランプにも使用されています。

*定格寿命50H3000Hです

ミニハロゲンランプ

引用元:http://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/wink/displayProduct.do?pid=144700

*定格寿命:規定条件で試験したときの、平均寿命

4点灯形態の種類

通常時と非常時の点灯の仕方には種類があります。それを点灯形態といいます。

点灯形態には、【専用型】【併用形】【組込形(埋込形)】の3つがあり、設置する場所の*設置基準を満たしていればどの形態でも構いません。

*設置基準についてはこちら。

1専用型

光源(ランプ)がひとつで、平常時は消灯しており、停電時に点灯するタイプ。

点灯形態専用型

引用元:http://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/products/lighting/lineup/fixture/emergency/advantage_01.html

2併用型

光源(ランプ)はひとつですが、平常時には通常電源で点灯し、停電時は非常用に自動で切り替わり点灯するタイプ

点灯形態併用型

引用元:http://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/products/lighting/lineup/fixture/emergency/advantage_01.html

3組込型(埋込型)

平常時と、非常時用の二つのライトがあり、停電時は非常用ランプの方が点灯します。

点灯形態組込型

引用元:http://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/products/lighting/lineup/fixture/emergency/advantage_01.html


.交換時期

非常用照明は、【器具本体】【ランプ】【蓄電池】で交換時期が異なります。

1器具本体の交換時期

本体の適正交換時期は、810年です(表1)。耐用限度がそれぞれありますが、いざという時に点灯しなければ、設置している意味がありません。安全に避難できることを考慮するなら、適正時期での交換をおすすめ致します。

その他下記現象が一つでも出ていたら交換対象となります。

①最近、故障が増えている

②ランプの交換が多くなっている

③焦げ臭いにおいがする

④掃除しても汚れがとれない

⑤ソケットが変色している

(表1

 

適正交換時期

耐用の限度

電池内蔵型

8~10

12年

電源別置型

8~10

15年

専用型

8~10

15年

2ランプの交換時期

ランプの交換時期は、それぞれ使用するランプの点灯時間(30分間以上)により判断する必要があります。使用するランプの交換目安は下記(表2)の通りです。

(表2)

 

交換時期の目安

直管形蛍光ランプ

1年~2年

コンパクト形蛍光ランプ

約半年~1年

LED光源

メーカーの公表による

*ハロゲンランプは、非常用のみの使用になる為、交換時期は特に決まりはありません。

3蓄電池の交換時期

蓄電池(バッテリー)の交換時期は4~6年です。 

新品に見えても中身は確実に劣化します。停電した場合、非常用照明器具は30分間以上(但し長時間定格型の器具は60分間)点灯しなければならないと法令で定められていますので

それ以下の点灯時間であれば、交換が必要です。


.非常用照明の交換方法

1本体の交換方法

器具本体の交換は、100Vの電気を取扱う工事になるため、資格が必要となります。

交換時期や*建築物定期検査時に不良と判断された際は、業者へ依頼し交換して下さい。

*建築物定期検査についてはこちら。

2バッテリー交換方法

バッテリー交換については、特に資格は必要ないため自分で交換することができます。

自分で交換する際の手順を、わかりやすく解説されているので、是非参考にしてみて下さい。

【バッテリー交換方法】

①埋込型

②直管形


.その他の非常用照明

非常用照明と同じく、停電時に私達がスムーズに避難できるように設置されている照明があります。それが誘導灯です。

非常用照明と併用することが義務付けられています。

1誘導灯とは

誘導灯とは、避難を容易にするために避難口や避難方向を指示するための照明設備のことです。普段は常用電源により点灯し、火災時等による断線や停電などの非常時には自動的に非常電源に切替わり、暗闇でも十分その効果を発揮します。

誘導灯は「消防法施行令第26条」と各地方自治体の火災予防条例などによって、劇場・旅館などの人の多く集まる場所に設置が義務づけられています。

2非常用照明との違い

非常灯と誘導灯を併用すれば、効果がアップします。非常灯とは、停電時に室内や廊下を照らす機能があり、避難誘導のための電灯です。人が集まる場所で、火災や事故などが発生した場合でも、人々を安全な場所へ誘導することができます。

誘導灯と非常灯の違いは、使用目的です。誘導灯は非常口や避難経路を照らすためのものですが、非常灯は部屋や避難経路を照らすための器具となります。つまり、誘導灯は道筋を案内するガイド、非常灯は非難を速やかに実行するためのあかりです。

3目的別種類

目的に合わせて【避難口誘導灯】【通路誘導灯】【客席誘導灯】【階段通路誘導灯】の4種類があります。

【避難口誘導灯】:緑色の地色に白色の矢印で避難出口の場所を示す

避難口誘導灯

引用元:http://www2.panasonic.biz/es/lighting/shisetsu/renewal/exit/lineup1.html

【通路誘導灯】:白色の地色に緑色の矢印で避難出口のある方向を指し示す

通路誘導灯

引用元:http://www2.panasonic.biz/es/lighting/shisetsu/renewal/exit/lineup1.html

【客席誘導灯】:映画館や舞台などの客席のある施設で足元を常時照らす

客席誘導灯

引用元:https://www2.panasonic.biz/scvb/a2A/opnItemDetail?use_obligation=esctlg&item_cd=FA01520LE1&item_no=FA01520LE1&catalog_view_flg=1&contents_view_flg=1&close_flg=1&b_cd=101&hinban_kbn=1&s_hinban_key=FA01520LE1&vcata_flg=1

【階段通路誘導灯】:客席誘導灯と同じく階段や傾斜路に設置して一定の明るさを保つ

階段通路誘導灯

引用元:http://www2.panasonic.biz/es/catalog/lighting/products/detail/shouhin.php?at=koukyousakuin&ct=shisetsu&id=S00074218&hinban=FSFH42855N


.非常用照明のLED

2014年秋より建築基準法に基づく「国土交通大臣認定」を取得したLED非常用照明器具が使用できるようになりました。

LEDを活用し、小型化・省電力化を図れ、電源内蔵型では、どのメーカーでも直径100mmというサイズが標準でしたが、60mmまで小型化しています。電源別置型の非常用照明と同等サイズであり、意匠性の向上につながると期待されています。

以下4つのカタログを掲載しています。LED照明の品揃えが豊富にあり、業界大手で製品の信頼もありますので是非参考にしてみて下さい。

1パナソニック

http://www2.panasonic.biz/es/lighting/shisetsu/ledhijoto/images/E377.pdf

2三菱電機

http://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/products/lighting/lineup/fixture/emergency/index.html

6-3東芝ランテック

http://www.tlt.co.jp/tlt/products/facility/facility_emergency_light.htm

6-4日立アプライアンス

http://www.lighting.hitachi-ap.co.jp/lighting/for_facilities/bousai.html


7.まとめ

種類や、交換時期、いざ説明すると、曖昧な部分もあったのではないでしょうか?
また、時代のニーズにあわせ非常用照明も変化しています。LED化もその一つです。

非常用照明について改めて見直し、これからの点検業務や、ご提案にお役立て頂けたら幸いです。

建物に一定の規模があり非常用照明設備を設置している場合は建築基準法に基づく「建築設備定期検査」を行わなければならならない可能性があります。当ブログ「建築設備定期検査|誰でもよく分る定期報告の内容と費用のポイント解説」で建築設備定期報告についてわかりやすく解説しています。是非お読みください。

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