特定建築物定期調査〜調査から報告書提出迄の手順を完全解説【東京編

定期調査 東京

「今度、管理している都内の商用ビルが特定建築物定期調査を受けることになったのだが、初めてなので、どのような調査なのかがよくわからなくて不安……」

あなたは今、このような不安を抱えていませんか?
初めて大きな調査を受けるとなると、不安も大きくなりがちですよね。

もうすでにご存知かもしれませんが、まずは念のため「特定建築物定期調査」がどのような調査なのかを確認しておきましょう。

デパート、ホテル、病院など、不特定多数の人が利用する特定建築物は、老朽化や設備の不備などがあると、大きな事故や災害につながる恐れがあります。特定建築物定期調査は、適切な維持管理を行うことによって、そういった事故を未然に防ぐために建物や設備を定期的に調査・検査し、特定行政庁に報告する制度です。

特定建築物定期調査は建築基準法に基づく法的調査であり、多くの人々が安全に過ごせるよう義務付けられた大切な調査です。

この記事では、東京都において特定建築物定期調査の対象となる建築物や調査内容、提出書類、調査依頼から報告書提出までの流れなどといった情報をお伝えしていきます。

特定建築物定期調査を受けるのが初めての方もそうでない方も、この記事が調査の理解を助け、調査報告書提出までの一連の手順をスムーズに行う一助となれば幸いです。


1. 東京都の特定建築物定期調査の対象となる建築物及び報告時期一覧

まずは、東京都の特定建築物定期調査の対象となる建築物とはどのようなものか、またその報告時期について確認しましょう。

2019(令和元)年4月現在

用途

規模または階
いずれかに該当するもの        

報告時期

・劇場
・映画館
・演芸場          

・地階もしくは3階以上に対象用途があるもの
200㎡以上のもの
・主階が1階にないもので100㎡以上のもの

毎年の111日から翌年の131日まで (毎年報告)

 

 

 

・観覧場(屋外観覧席のものを除く)
・公会堂
・集会場            

・地階もしくは3階以上に対象用途があるもの
200㎡以上のもの(平家建て、かつ、客席及び集会室の床面積の合計が400㎡未満の集会場を除く)

・旅館
・ホテル            

3階以上に対象用途があり、かつ2,000㎡以上のも   

・百貨店

・マーケット

・勝馬投票券発売所

・場外車券売場

・物品販売業を営む店舗

3階以上に対象用途があり、かつ3,000㎡以上のもの             

・地下街            

・対象用途が1,500㎡以上のもの

・児童福祉施設等(注意4に掲げるものを除く)

3階以上に対象用途があるもの
300㎡以上のもの
(平家建て、かつ、床面積の合計が500㎡未満のものを除く)

2019(平成31)年の51日から1031日まで(3年ごとの報告)

・病院
・診療所(患者の収容施設があるものに限る)
・児童福祉施設等(注意4に掲げるものに限る)     

・地階もしくは3階以上に対象用途があるもの
300㎡以上のもの
(平家建て、かつ、床面積の合計が500㎡未満のものを除く)

・旅館
・ホテル

・学校
・学校に附属する体育館 

3階以上に対象用途があるもの
2,000㎡以上のもの

・博物館
・美術館
・図書館
・ボウリング場
・スキー場
・スケート場
・水泳場
・スポーツの練習場
・体育館(いずれも学校に附属するものを除く)

3階以上に対象用途があるもの
2,000㎡以上のもの

・下宿
・共同住宅または寄宿舎の用途とこの表に掲げられている用途の複合建築物

5階以上に対象用途があり、かつ1,000㎡以上のもの

・百貨店
・マーケット
・勝馬投票券発売所
・場外車券売場
・物品販売業を営む店舗

・地階もしくは3階以上に対象用途があるもの
500㎡以上のもの

2020(令和2)年の51日から1031日まで(以後3年ごとの報告です)

・展示場
・キャバレー
・カフェー
・ナイトクラブ
・バー
・ダンスホール
・遊技場
・公衆浴場
・待合
・料理店
・飲食店

・複合用途建築物            

3階以上に対象用途があるもの
500㎡以上のもの

・事務所
・その他これに類するもの

・対象用途が1,000㎡以上のもの(5階建て以上、かつ、延べ面積が2,000㎡を超える建築物のうち、3階以上に対象用途があるものに限る)       

・下宿
・共同住宅
・寄宿舎(注意4に掲げるものを除く)

5階以上に対象用途があり、かつ1,000㎡以上のもの         

2021(令和3)年の51日から1031日まで(以後3年ごとの報告です)

・高齢者
・障害者等の就寝の用に供する共同住宅または寄宿舎(注意4に掲げるものに限る)

・地階もしくは3階以上に対象用途があるもの
300㎡以上のもの(2階部分)

(注意)
1 共同住宅(高齢者、障害者等の就寝の用に供するものを除く)の住戸内は、特定建築物の定期調査及び防火設備の定期検査の報告対象から除かれます。
2 新築の建築物は、検査済証の交付を受けた直後の時期については報告する必要はありません。
3 用途・規模等、初回免除の考え方等については、東京都都市整備局ホームページを併せて御覧ください。

出典:(公財)東京都防災・建築まちづくりセンター


2. 特定建築物定期調査の内容は大きく分けて6項目

調査の項目は大きく分類すると、以下の6項目になります。調査は、各項目共通で建築物の現況と法規関係は現行法規等に基づいての調査となります。

2-1. 敷地及び地盤

地盤・敷地・塀・擁壁等及び敷地内の通路等の「劣化及び損傷の状況」と「維持保全の状況」調査。

【調査項目の例】
・地盤沈下等による不陸、傾斜等の状況
・敷地内の排水の状況
・敷地内の通路等の確保の状況
・有効幅員の確保の状況
・敷地内の通路等の支障物の状況……など計17項目

2-2. 建築物の外部

基礎・土台・外壁等の「劣化及び損傷の状況」調査。

【調査項目の例】
・基礎の沈下等の状況
・基礎の劣化及び損傷の状況
・土台の沈下等の状況
・土台の劣化及び損傷の状況
・外壁、軒裏及び外壁の開口部で延焼のおそれのある部分の防火対策の状況……など計18項目

2-3. 屋上及び屋根

屋上面・屋上周り・屋根等の「劣化及び損傷の状況」調査。

【調査項目の例】
・屋上面の劣化及び損傷の状況
・排水溝(ドレーンを含む)の劣化及び損傷
・屋根の防火対策の状況
・屋根の劣化及び損傷の状況
・機器、工作物本体及び接合部の劣化及び損傷の状況……など計9項目

2-4. 建築物の内部

防火区画・常閉防火扉等・壁・床・天井等の「劣化及び損傷の状況」と「維持保全の状況」調査

【調査項目の例】
・木造の壁の室内に面する部分の躯体の劣化及び損傷の状況
・準耐火性能等の確保の状況
・給水管、配電管その他の管又は風道の区画貫通部の充てん等の処理の状況
・換気のための開口部の面積の確保の状況
・吹付け石綿等の劣化の状況……など計46項目

2-5. 避難施設等

廊下・出入口等・避難上有効なバルコニー・階段・排煙設備等・非常用進入口等の「劣化及び損傷の状況」と「維持保全の状況」調査。

【調査項目の例】
・廊下の幅の確保の状況
・出入口等の確保の状況
・直通階段の設置の状況
・乗降ロビー等の排煙設備の作動の状況
・非常用の照明装置の設置の状況……など計42項目

2-6. その地

地下街等・免震装置等・避雷設備・煙突等の「劣化及び損傷の状況」と「維持保全の状況」調査
他。

【調査項目の例】
・地下の構え又は地下道に面する建築物の地下の部分と地下道との関係
・免震装置の劣化及び損傷の状況(免震装置が可視状態にある場合に限る)
・避雷針、避雷導線等の劣化及び損傷の状況
・煙突本体及び建築物との接合部の劣化及び損傷の状況
・併設する自動式引き戸及び駆け込み防止さく等の危険防止装置の設置状況……など計19項目


3. 調査範囲及び報告方法

・報告の日前3か月以内に調査し作成した報告書は(公財)東京都防災・建築まちづくりセンター(「7. 報告書の提出先は(公財)東京都防災・建築まちづくりセンター」参照)まで提出してください。

・敷地内に複数の建築物がある場合は、棟ごとに報告してください。

・同一建築物に、毎年報告を要する部分と3年ごとに報告を要する部分が共存する場合で報告が重複する年は、できるだけ一括して建物全体の報告として、毎年報告の時期(11月1日から翌年の1月31日まで)に併せて提出するようにしてください。

・対象が建築物の一部である場合は、当該用途に供する部分のほか、これに関連する避難経路部分(通路、廊下、階段等)も含めて報告してください。

・調査範囲は、用途に供する部分(機械室等を含む)が全て対象になります。ただし、共同住宅の住戸内は、調査対象から除外されますが報告面積には算入してください。


4. 提出書類について

提出書類は以下の通りです(写はコピー可)。これらの書類は調査資格者・調査会社が用意します。

①定期調査報告概要書(第一面、第二面):1部
②定期調査報告書(第一面〜第四面):2部(正1部、写1部)
③調査結果表(その1〜その6):2部(正1部、写1部)
④添付図面及び写真:2部

提出書類は以下(公財)東京都防災・建築まちづくりセンターのサイトからダウンロードできます。

上記サイト内、上2つのExcelファイル「特定建築物定期調査報告書等」に提出書類の雛形一式が含まれていますので、いずれかをダウンロードしてご利用ください。

なお、報告書の作成方法はこちらをご覧ください。

特定建築物定期調査報告書作成要領

また、2019年度特定建築物定期調査報告の詳細については以下をご覧ください。

特定建築物定期調査報告のご案内 平成31年度(2019年度)


5. 東京都の特定建築物定期調査の調査依頼から報告書提出までの流れ

東京都の調査依頼から特定建築物定期調査報告書提出までの流れは下記のとおりです。

5-1. 通知が届いたら調査資格者に調査を依頼する(建物の所有者・管理者)

報告年度には、原則、特定行政庁より通知が届く。報告にあたっては、調査資格者に調査を依頼する。定期調査報告書及び定期調査報告概要書は以下からダウンロードできる。

http://www.tokyo-machidukuri.or.jp/tatemono/teikihoukoku.html

上記サイト内、上2つのExcelファイル「特定建築物定期調査報告書等」のいずれかを利用。
報告者は建築物の所有者だが、所有者と管理者が異なる場合は管理者となる。

↓ 建築物の調査依頼

5-2. 調査資格者が建物の現地調査を実施・報告書を作成する

調査資格者は、1級建築士、2級建築士、または特定建築物調査員。調査資格者はビル管理会社や設計事務所などに所属していることが多い。調査資格者は、該当する建築物を調査し、報告書を作成・提出。書類の提出先は(公財)東京都防災・建築まちづくりセンターまで(7章参照)。郵便による受付はしていないのでご注意ください。

↓ 建築物の調査し、報告書を提出

5-3. (公財)東京都防災・建築まちづくりセンターに報告書を提出する(調査資格者・調査会社)

(公財)東京都防災・建築まちづくりセンターでは、提出された報告書の内容を確認し、特定行政庁に送付する。

↓ 報告書を送付

5-4. 特定行政庁が審査を行う

特定行政庁は、報告書の内容を審査し、指導事項等を記載した改善計画書等を添付した報告書を(公財)東京都防災・建築まちづくりセンターに返送する。

↓ 報告書を送付

5-5. (公財)東京都防災・建築まちづくりセンターが改善計画書等と報告済証を報告者に送付する

(公財)東京都防災・建築まちづくりセンターは、報告書の(写)に改善計画書等と報告済証をつけて報告者あてに送付する。

↓ 報告書(写)、報告済証の送付

5-6. 建築物の改善・維持保全に努める(建物の所有者または管理者)

報告者は調査資格者と相談の上、報告書の(写)と審査結果を基に適正な維持保全に努める。また、報告済証は、特定建築物定期調査が行われ、常に適正な維持保全に努めていることを示すものなので、建物のエントランス付近など見やすい場所に貼るようにする。

ステッカータイプ

ステッカー

たてかけタイプ

ステッカー


6. 報告書の提出先は(公財)東京都防災建築まちづくりセンター

報告書の提出先は、東京都防災・建築まちづくりセンター建築防災部・建築防災課となります。

地図

〒150-8503 東京都渋谷区渋谷2-17-5 シオノギ渋谷ビル8階
TEL:03(5466)2001
http://www.tokyo-machidukuri.or.jp/

受付時間
月〜金曜日(祭日を除く)
午前受付9:00~11:30、午後受付13:00~16:00

受付の注意点
・原則1回の仮審査を5棟までとしているので、1度に6棟以上まとめて持参する場合は、日を改めるか複数名で訪問いただき、5棟ずつ仮審査を受けてください。
・定期調査報告書に整理番号が記載されていないと受付ができない場合があるため、必ず記載のうえご持参ください。


7. 特定建築物定期調査報告事務手数料

報告書を提出するにあたっては、事務手数料が必要となります。なお、2019(令和元)年10月1日より、手数料が改定されます。以下の表でご確認ください。

特定建築物定期調査報告事務手数料

報告対象延べ床面積(㎡)
(建築物1棟につき)

現行手数料
201441日から適用)

改定手数料
2019101日から適用)

500㎡以内のもの

5,140円(4,760円)

5,400円(4,909円)

500㎡を超え、3,000㎡以内のもの

5,650 円(5,232円)

6,000円(5,455円)

3,000㎡を超え、5,000㎡以内のもの             

6,680円(6186円)

7,100円(6,455円)

5,000㎡を超え、10,000㎡以内のもの

8,220円(7,612円)

8,900円(8,091円)

10,000㎡を超え、20,000㎡以内のもの

13,880円(12,852円)

15,400円(14,000円)

20,000㎡を超え、40,000㎡以内のもの

14,910円(13,806円)

16,600円(15,091円)

40,000㎡を超えるもの   

17,480円(16,186円)

19,600円(17,819円)

※手数料の(内)は消費税抜きの金額(税額は現行8%、改定後10%)


8. おすすめの調査会社!東和総合サービス

特定建築物定期調査は、建物を利用する人々の命と安全を守るための大切な調査です。安心して任せることができる実績豊富な会社に依頼するようにしたいものです。

サイト

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また、経験豊富な特定建築物定期調査実施者や1級建築士などの有資格者が検査を行うため、特定建築物定期調査を安心して依頼することができます。

おすすめする理由②基本料金4万円からという安価な費用!
特定建築物定期調査費用が基本料金40,000円から。

特定建築物定期調査 価格表

床延面積

老人保健施設・事務所ビル他

共同住宅・マンション

1,000

40,000円

2,000

50,000円

45,000円

3,000

60,000円

52,000円

3,001㎡〜

別途見積り

別途見積り

 *1回当たりの料金です。
*東京都23区内、大阪市内の料金です(その他のエリアは別途費用が発生します)。
*料金には、調査費、報告書作成費が含まれています(提出代行費、事務手数料は含まれていません)。
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株式会社 東和総合サービス

【東京本社】
東京都千代田区永田町2丁目14番3号 東急不動産赤坂ビル10階

【大阪本社】
大阪市西区新町1丁目28番3号 四ツ橋グランスクエア8階


まとめ

特定建築物定期調査は、比較的規模の大きい建物についての調査であり、調査項目も多岐にわたるため大変だなという印象を受けられたかもしれませんが、建物を利用するすべての人々の安全を守るための大切な検査です。信頼のおける調査会社に依頼して、しっかりと建物の状況を把握し、不具合が見つかった場合も同じ会社に修繕を依頼できると安心できますね。

この記事が、ビルオーナー・管理者のみなさんにとって特定建築物定期調査を理解し、スムーズに報告書を提出する道しるべになればうれしいです。

「特定建築物定期調査」の内容についてもっと知りたい方は当ブログ「特定建築物定期調査|これだけ分れば安心!内容と費用のポイント解説」を是非お読みください。

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  • 消防設備点検(防火対象物点検)
  • 建築設備定期検査・特定建築物定期調査・防火設備定期検査
  • 巡回設備点検
  • 常駐設備員
  • 24時間の設備緊急対応
  • その他設備点検全般

設備管理業務は設備トラブルが起きないよう維持管理することが大切で、建物を利用する人々の安全を守る重要な業務です。ビル管理業界の草創期に創業し半世紀の間蓄積したノウハウでお客様のお悩みを解決できるよう全力で取り組んでまいります。

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